【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【きょう5/10国会】「子ども子育て法」「大学修学支援法」成立、重要広範最後「児童虐待」審議入りで令和第1週、早くも山を越える、終盤国会で月曜定例岡田克也決算委員が中村喜四郎委員に「質問」を働きかける

2019年05月10日 22時07分17秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]岡田克也さんの定例懇談会に向かう宮崎信行、やはり他の写真とはちょっと顔の表情が違いますね、けさ撮影。

 連休明け週ラストは、衆参あわせて15本以上が本会議で処理されました。今国会重要広範議案の「改正子ども子育て支援法」が参・本で成立。そして「児童虐待防止法改正案」が衆・本で審議入り。

 野党は打つ手なしですが、ビッグニュース。今国会衆議院決算行政監視委員をつとめる、岡田克也さんが先輩の中村喜四郎委員に、テレビ入りでの質問を要請。SNSがありますから、ふしぎと、「中村喜四郎」の名前は玄人受けで、今の若い人は知らないようですが、中村先輩が質問に立たない場合は、岡田さんが衆院選向けの月曜火曜の地元での駅頭を中断して、月曜日に上京して、参院選の争点作りにのぞむことを決断しました。

【参議院本会議 令和元年2019年5月10日(金)】

 「改正建築物省エネ法」(198閣法27号)が全会一致で可決し、成立しました。

 目玉法案の「大学等修学支援法」(198閣法21号)。各党が反対討論。投票総数230、賛成185、反対45で可決し、成立しました。

 「特許法、意匠法などの一括束ね改正法」(198閣法32号)も全会一致で可決し、成立しました。

 「改正ハーグ条約国内実施法」(198閣法28号)は全会一致で可決し、成立しました。

 「NHKインターネット常時同時配信を可能とする改正電波法」(198閣法18号)は投票総数229、賛成215、反対14で可決し、成立しました。年内早い時期にNHKインターネット常時同時配信が始まる見通し。ネットメディアでの先輩として、NHKさんの参入を歓迎するとともに、身の引き締まる思いをしています。

 「改正電気通信事業法」(198閣法35号)は全会一致で可決し、成立しました。スマホ端末と料金を分離、ショップが登録制になります。4割値下げ観測も出ており、訪米中の菅義偉さんの実績となりそうです。

 「改正子ども子育て支援法」(198閣法15号)。野党は現在も貧しい方は保育料は無料なので、中間層がより得をする法案だと批判してきましたが、浸透したのか。投票総数230、賛成185、反対45で可決し成立しました。与党国対としてはひと山越えました。

 これに先立ち、「金融機能早期健全化法改正案」(198閣法16号)が麻生太郎金融担当大臣から趣旨説明されました。

【衆議院本会議 同日】

 「第9次地方分権一括法案」(198閣法37号)が自公などの賛成多数で可決し、参議院に送られました。この法案にしては珍しく野党が修正案で対抗しました。

 二国間条約承認案5件。「日本とブルガリアの投資、日本と、スペイン、クロアチア、コロンビア、エクアドル各々との租税協定の承認案」(198条約6号ないし10号)は賛成多数で承認され、参議院に送られました。衆議院での条約審議はフィニッシュ、岡田克也外務委員は、外交案件の一般調査をのぞんでいるほかは、決算委員会に集中することになります。

 「表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化法案」(198閣法30号)は全会一致で可決し、参に送られました。

 平井卓也さんがIT相となりタブレットで答弁した「デジタル手続き法案」(198閣法47号)は共産党の反対、自民公明立憲国民などの賛成多数で可決し、参に送られました。

 「ロースクール法改正案」(198閣法45号)「階猛さん提出のそれに対する対案」(198衆法5号)とともに報告されました。まず、衆法5号は国民民主党しか起立せずどよめきました。政府原案の閣法45号は立憲・国民の反対、自民・公明などの賛成多数で可決し、参送付。

 「道路運送車両法改正案」(198閣法39号)は全会一致で可決し、参へ。

 この後、「児童虐待防止法改正案」(198閣法55号)が、「岡本充則さんら提出の対案」(198衆法7号)とともに、趣旨説明と、首相、大臣、提出者との質疑応答が繰り広げられました。

【衆議院法務委員会 同日】

 「戸籍法改正案」(198閣法50号)が可決すべきだ、と決まりました。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 「中小企業強靭化法改正案」(198閣法26号)

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 「障害者雇用促進法改正案」(198閣法53号)。野党各党が討論を求めて「賛成」。採決の結果、全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 「ナイロビ条約国内実施法案」(198閣法40号)が趣旨説明され、次回、質疑。

【衆議院環境委員会 同日】

 「フロン排出抑制法改正案」(198閣法56号)が趣旨説明され、次回から質疑。

[お知らせはじめ]

このブログは、元日経新聞記者の政治ジャーナリスト、宮崎信行が、すべて一人で取材し、執筆しています。

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV) 参議院インターネット審議中継 各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク) 


「歳費2年2割削減法」の岡田克也元幹事長、参議院の歳費「自主返納」ごまかし、「恒久的でないと駄目だ」「背信行為だ」「約束破り」「参院選の争点の一つだ」と激しく批判

2019年05月10日 12時10分25秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]岡田克也さん、7年前の2012年、議員会館内で宮崎信行が撮影。

 

 「背信行為だ」「参院選の大きな争点の一つ」ーー岡田克也さんが語りました。

 

参議院議員の歳費を月8万円弱削減する法律案を審議を見送り、自民党・公明党が「自主返納」を、立憲民主党などに呼びかける動きについて、岡田さんは、きょう、令和元年2019年5月10日(金)国会内で記者団に批判しました。

 

岡田さんは、東日本大震災発生後に、与党第一党幹事長として、衆参両院議員の歳費を2年間2割削減した法律を主体的に制定しました。

 

岡田さんは、

 

「暫定的な問題ではないんですね。(参議院の議席が6)議席が増えたんですから。議席が増えたじたいが、問題なんだけど、少なくとも歳費を削減しましょうというのは恒久的な措置でないとだめですよね」と語り、法律でないと認められないと強く語りました。

 

現在は与野党が折り合う可能性が報道されていますが、岡田さんはこの問題について、

 

「むしろ、参院選の大きな争点の一つです。こんなことをやっていると。約束違反です、衆は定数減らしているんですから。そういう中で参議院はいきなり増やしてしまったのはとんでもない背信行為です」

 

と話しました。

 

 まあ、与野党が折り合った場合は、争点にならないかもしれませんが。

 

 岡田幹事長が実現した2年間2割削減法について、当時与党議員からも感情的な批判が出ました。

 

例えば、三宅雪子・民主党衆議院議員(当時)はツイッターで、

 

 「はあ。マンションのローンがあり歳費カットで恨み岡田さん副総理(の可能性)を批判。この3つを結びつけるミステリー。目がテン・・・幹事長として、であって政治家として、はコメントしてません。ちなみに私は岡田さんを嫌いではありません。」

 

https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/157094670399315968?s=20

 

とし、幹事長退任後に、副総理で入閣する観測報道について、2割削減でフジテレビ社員時代に組んだローン返済がとどこおりがちだと思われる発言をしました。この感情論が、2012年の大政局の底流のごく一部になったのかもしれません。

 

 岡田さんはきょう、「公務員(自衛官を除く国家公務員一般職全員)だって、(7・8%)カットしたのに、国会議員がカットしないなどありえなかった」とし、2割削減は当然だとしました。

 

微妙な問題でありながら、強行した岡田さんが、野党で最も得票率が高く再選されていることについて、「関係ないですね。それをやったから、自分が生き残っているとは思えない」とどこ吹く風。それよりも、「今国会から衆議院決算委員なんだけど、月曜日が定例日なので、月曜、火曜日に駅頭をやろうと思っていたけど、できないかもしれない」と近未来に懸念を示しました。

 

私としては、超富裕自治体「港区」の区議に先月初当選したマック赤坂さんが、6年前、初登院する参議院議員に「俺の方が、税金払ってるぞ」と罵声を浴びせていた姿に、あっちの方が正論なのかな、という気もします。

 

このエントリー記事の本文は以上です。