【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

[5/24国会]「児童虐待防止法案」与野党修正で全会一致で衆議院委員会可決、第198回通常国会は残り会期1か月で早くも大山を越える

2019年05月24日 21時38分23秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[画像]衆議院厚生労働委員会、2019年5月24日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 「児童虐待やDV防止を強化する児童福祉法など改正案」(198閣法55号)が与野党の修正で全会一致で衆・委員会を通過しました。重要広範議案4本がすべて衆・委員会を通過しました。参議院に回ってから、本会議(水、金)→委員会(火、木)→本会議(水、金)となります。3週間はかかります。このペースですと、会期末よりも2週前に、ほとんどの重要法案が成立することになります。衆参同日選に向けて、与野党ととも歩みを進めています。

【衆議院厚生労働委員会 令和元年2019年5月24日(金)】

 まず、野党案は採決直前に野党の申し出で撤回されました。

 政府の「児童虐待防止を強化する児童福祉法など改正案」(198閣法55号)が「修正」で全会一致で可決すべきだと決まりました。

 修正案は、立憲民主党の西村ちなみ元厚労副大臣が読み上げました。政府案の「児童相談所強化」に加えて(1)児相の所長は医学的・心理的に指導をできる(2)児童の意見を聞く機会を確保するーーことが盛り込まれました。最大野党が与党期に言っていた「チルドレンファースト」の精神が盛り込まれた、というところでしょうか。

 これに先立ち、政府原案と野党対案に対して、安倍晋三首相入りの質疑がありました。首相は「(結婚前の配偶者間の)DV対策とも連携していきたい」としました。公明党の高木美智代さんは質問の中で「昨日、野党と修正案で合意している。感謝する」。立憲民主党の阿部知子さんは質問の中で、「もともと、安倍さんと、塩崎恭久元厚労相は、この問題を一緒に超党派議連で早くから取り上げてきた仲だ」と対決色を薄め、安倍さんは児童虐待防止のパイオニアだとたたえました。

 但し、国会対策としては、重要広範議案恒例の「首相入り質疑、テレビ無し」となったため、国民民主党は玉木雄一郎代表が、「委員さしかえ」で登場して、予算委員会の開会を要求。岡本充功さんは「法律よりも大臣の決意だ。きょうはいい質疑ができた」とし、修正合意後になってから、1月の「統計問題」からもっとも口が重かった根本匠厚労相の軟化に期待しました。

 これで、第198回通常国会は、最大の山を越えました。

 同委員会はまだ法案があります。

【参議院本会議 同日】

 「食品ロス削減推進法」(198衆法8号)が投票総数221、賛成221、反対0の全会一致で可決し、成立しました。半年後に施行。

 「改正戸籍法」(198閣法50号)は222、206、16で、可決し、成立しました。

 「改正船舶油濁損害賠償法」(198閣法40号)が、224、224、0の全会一致で可決し、成立しました。関連する国際条約はすでに両院承認されています。

 関心が高かった、「デジタル手続き法」(198閣法47号)は投票総数222、賛成206、反対16の賛成多数で可決し、成立しました。

 この後、参議院だけに3つある「調査会」。そのうち2つの最終報告がありました。

 国際経済・外交に関する調査会、国民生活・経済に関する調査会。

 ちなみに、衆参とも、政策勉強会ばかり開く1期生がうざいので、衆議院にも調査会を設けて、うざい1期生を押し込んでしまうのもいいかもしれないと考えました。あるいは、参議院の調査会を廃止してしまっても、いいのではないでしょうか。働けばいいというものでもありません。

【衆議院法務委員会 同日】

 「特別養子縁組の促進のための、民法改正案」(198閣法51号)が維新反対、自民・公明・立憲・国民・共産の賛成多数で可決すべきだと決まりました。維新の串田誠一さんは「特別養子ではなく普通養子を前提にすべき。他人の暴力などでやむを得ず子供を育てられなくなった親が子と会えなくなる。子供のことを考えるべきだ」として法案に反対しました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】

 「災害弔慰金支給法改正案」(198衆法  号)が起草されました。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 「建設業法などの働き方改革のための一括改正法案」(198閣法52号)が可決すべきだとなりました。

 「公共工事品確法の改正案」(198衆法 号)が議員立法で可決すべきだとなりました。私は設備投資の仕事の経験もありますが、民需でも4月は「予算はあるが様子見」の社長が多いです。官公需ならなおさらでしょう。ただし、「3月決算で損金算入し過ぎないよう、4月にずらす」という黒字会社もあります。国・自治体から建設会社に対して12か月なだらかな発注をめざす議員立法のようです。

【衆議院内閣委員会 同日】

 「道交法改正案」(198閣法41号参先議)が可決すべきだと決まりました。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 「独禁法改正案」(198閣法44号)の質疑終局が宣言されました。採決は次回。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 理事会で、丸山穂高さんへの対応を詰めました。

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