[写真]輝く内閣府・中央合同庁舎4号館、今月2019年12月、宮崎信行撮影。
2つの要素がありますが、とりあえず1本の記事に書きます。
地方議員が、その自治体に3か月以上住み、住民票のみならず、生活の実態がないと、当選後でも失格になる「居住要件」に罰則が設けられることになりそうです。30万円以下の罰金と公民権停止5年以下。但し、人生の転機をめざして地方議員に「就職」した人にとっては、選挙債務は残りながら、罰金と公民権停止という重すぎるペナルティーになるように感じます。
「第10次地方分権一括法案」(201閣法 号)
が、令和2年2020年の第201回通常国会に提出されるはこびとなりました。
きのうの月曜繰り上げ定例閣議で「令和元年の地方からの提案等に関する対応方針」が決定されました。
内閣府の地方分権改革推進会議に上がっていた
「(ⅲ)地方議会議員の選挙における候補者の立候補の届出(86 条の4第4項)については、効率的な事務の実施に資するよう、9条2項及び3項に規定する住所に係る要件に関し、立候補の届出時の添付書類の見直し等必要な措置を講ずる」
との地方自治体からの要望を、国が認めました。
他の報道を加味すると、公職選挙法第9条第2項「引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者」にそむくと、罰則があるとすることで、届け出書類の確認作業を行革したいとの考えのようです。
公職選挙法の罰則強化は、内閣府でもなく総務省でもなく、なるべく議員提案で全会一致で衆参両院で可決、成立させる方がいい、とのならわしがあります。
今回の内閣府→総務省→国会という立法過程は、公職選挙法改正に限れば、異例となります。
この動き。NHKから国民を守る党の地方議員候補者をめぐって、区選管が調査をしながら、開票日まで有権者には明示しなかったという問題が、ことしありました。かつて、地方議会を就職先だとして、無所属の市議が、近隣の定数が有利な自治体の新人にスカウトした児童養護施設出身の女性が「アイドル政治家」ともてはやされながらも、当選後に住民票をおいていたのに、水道メーターが3か月動いていなかったと指摘され、「コンビニのトイレを借りていた」という苦しい言い訳を、市選管、県選管にしながら、失職した事例もあります。この場合は、選挙にかかった事務所家賃などの債務はそのままでで、地方議員としての向こう48か月間の、一軒家一個分のお金、議員報酬・期末手当・政務活動費・費用弁償・公費派遣の債権をすべて失う大ペナルティーとなります。
一部で観測があった、懲役などの身体刑は見送られると思いますが、罰金30万円・公民権停止5年でも、きついように感じますが、どうでしょう。
蛇足ですが、ことし初めて知ったのですが、県議会、政令指定都市の議員に立候補する場合は、その自治体に3か月以上住んでいればよく、立候補する区に住んでいなくていいそうです。今まで知りませんでした。
第10次地方分権一括法案は2020年2月下旬から3月上旬にかけて国会に提出されると予想されます。議運委が内閣委、総務委、特別委のどこに付託するにせよ、閣法の積み残しはありませんので、他の枠づけ・紐づけの移譲規定案と同じく、後半国会で粛々と処理されることになるかもしれません。
Ⓒ2019 宮崎信行