宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【長妻質問】衆院自公、「イタイ」国会審議 年金流用禁止法案

2007年11月21日 23時05分00秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

【国会傍聴記 2007-11-21 衆院厚生労働委員会】(写真は読売)

 このブログはほとんど趣味でやっているんですが、「視聴率」が高ければうれしいんですよ、人間だもの。
 で、長妻さんがでると、このブログの「視聴率」が上がるわけです。

 衆院厚労委で長妻昭ネクスト年金担当大臣(東京7区比例)が登壇。「やった!」とメモを取り始めました。

 民主党の「年金流用禁止法案」はすでに参院を通過し、衆院に送付されています。
 これを受けて、自民党と公明党が衆議院先出しで対案を出しました。

 よって、衆院厚労委では「民主党案(参院可決)」と「自公案(対案)」を議論します。

 ちなみに正式名称は「「国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案」。

 「ねじれ国会」ややこしいよ~。

 で、「対案」の 発議者である、自民党の大村秀章さん(愛知13区)、吉野正芳さん(福島5区)、公明党の古屋範子さん(南関東比例単独)らが長妻さんらの質問に答弁したんですが、これがメチャクチャ。ひどいのなんのって、もう嫌になりました。

 民主党案は年金保険料は、年金支給のみに充て、支給以外には使わない=年金流用禁止と単純明快。「橋本内閣より前の状態に戻す」と言い換えることもできます。

 自公はこれを見ながら対案を作ったものだから、「大規模なハコモノを作らない」という中途半端な内容。

 長妻さんが「年金広報センターという建物は作れるのか?」と質問すると、吉野さんは「大規模な建物はつくれない」と答弁。
 吉野さん本人もわけがわからないようでした。

 だったら、「財団法人年金広報センター」を作って、オフィスビルを間借りすることはできるんでしょう。そこに理事長として社保庁職員が天下りできます。

 この対案の論理構成は長妻さんなら1秒で壊せます。

 これを最近のことばで表現すると、「自公の対案ってイタイよねぇ~~」ということになります(笑い事でありません)。

 そもそもなんでこんなヒドイ対案を出したんでしょう?
 提案者は国対委員長とかに指名されて、うれしかったんでしょうか?
 法案を作る上で、党政調会事務局に協力してもらったんですか?
 衆院事務局に協力してもらったんですか?
 まさか厚労官僚に作ってもらったの?

 こんな中途半端な法案で審議を混乱させてどうすんの!?
 せっかく長妻さんが出てきたのに、「拍子抜け」。ここまでヒドイ国会は珍しい。

○舛添厚労相、「クリスマス・プレゼント」発言を謝罪

 なお、これとは別に舛添要一厚労相は「消えた(宙に浮いた)年金記録」5000万件のうち、500万件分の年金納付記録を「ねんきん特別便」として年末に郵送できることを確認しました。

 「ねんきん特別便の封筒がダイレクト・メールに似ていて、間違えて捨てられる可能性がある」との長妻さんの指摘に関して、
「おっしゃる通りだ。今日中ならゲラが直せるはずなので、直す」と封筒のデザイン変更を約束しました。

 これに先立つ質疑で、「年金通知はクリスマス・プレゼント、お年玉だ」と舛添厚労相が民放で語ったとの長妻さんの指摘に対し、事実を認めました。舛添さんは「表現に問題はない」としましたが、長妻さんの再度の質問で、発言が不謹慎だったと認め、謝罪しました。

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