宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【岡田克也】あすの経済産業委でまさかのトップバッター訪米帰りの武藤容治大臣「関税」「エネ基」「さらなる高み」

2025年03月13日 08時11分48秒 | 岡田克也、旅の途中
 岡田克也さんが、あす2025年3月14日(金)の衆議院経済産業委員会の、武藤容治大臣の所信的あいさつに対する質疑で、まさかの野党トップバッターで登場することがわかりました。

 岡田さんが経済産業委員になるのは、連続当選。35年目で初めて。立憲民主党の大勝で、同党には現在12名の経産委員がいますが、意外にもトップバッターとして登場するはこびとなりました。

 第2次トランプ政権スタートにあたり、新・商務長官、通商代表との会談から帰国したばかりの武藤大臣に対して「2019年9月25日の日米首脳会談」と関税、自動車の追加関税と数量規制、既に発表された鉄鋼・アルミ関税について質問。

 閣議決定されたものの、とくに法案にはならない、新しい「エネルギー基本計画」について、AIの電力などで使用量が増える前提となったことについて中立的に質問。通産省時代は「エネ庁石油部」だったことと原発依存度が低い中部電力労組の管内であることからあまり積極派でなかったものの、郵政解散の敗北で、「51歳の元代表」になってしまったものの、2008年に後輩の福山哲郎参議院議員に誘われるかたちで「民主党地球温暖化本部長」をあしがかりに復権したことをきっかけに原発推進派に転向したことから、多角的な見地から質問すること考えられます。質問通告には「高みに向けた挑戦について」という若手議員からは見られない項目も加えました。

 岡田さんは城山三郎さんの「官僚たちの夏」が出版された翌年4月に入省。その一方で、父の岡田卓也さんが元通産省官房長を同年末に「ジャスコ」の取締役に迎えており、裏取引説がアンチにあります。卓也さんの義母が関係全国団体副会長をつとめた厚生省とあわせて通商産業省と2つの内定をとっていますが、東京大学法学部は自分の実力で入ったので、さほど不公平感は持つ世論はありません。そもそも本人の意思とは何ら関係ありません。自民党の田村重信元職員が、大店立地法(監督官庁は都道府県)で便宜を図った2つの著書に書いたことを、東京地裁・高裁が「デマだ」と認定して、高裁では田村さんに賠償金の支払いも命じています。このような経緯から、岡田さんは初当選後に、厚生委員会を希望しますが、これも本人の意思と全く関係なく入会した竹下派「経世会」の先輩・粟屋敏信筆頭理事から、「岡田君、新人の中で君が一番最初に質問できるように手配してあげたよ」とささやかれたことが、逆に、小沢一郎さん・羽田孜さんの庇護下とはいえ、1期目で自民党を離党する大胆な行動につながりました。

 通産省同期のうち、岡田秀一さんが一番出世しましたが、一年後輩の安達健祐事務次官の下で経済産業審議官をつとめる異例の人事となりつつも、事務次官はゼロでした。細野哲弘資源エネルギー庁長官と寺坂信昭原子力安全・保安院長の2人は東日本大震災東京電力福島第一原子力発電所事故の責任をとって、更迭・退職しました。

 岡田さんは昨日の同党常任幹事会で、3月20日(祝日)から23日まで、北京・南京・上海を訪れて「中国共産党との党間交流覚書」(昨年8月)にもとづく第1回(昨年8月を入れれば第2回)訪中団長として党費で訪問することが決定するなど、きょねん9月の幹事長退任後の半年も独自の存在感を発揮しています。

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