宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

立憲修正パッケージ発表で予算案は款項目も議院修正の公算 103万円の壁法案も審議入り

2025年02月14日 15時38分05秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]第50回衆院選最終日に東京11区の元職・阿久津幸彦さんの応援に入り、好反応に相好を崩す野田佳彦・立憲代表、2024年10月26日、宮崎信行撮影。

 今週は、火~木が1000IPを超えました。かつての当ニュースサイトでは当然の数字でしたが、少数与党国会で再び数字が回復しました。感謝します。筆者が直接会う人から「読んだよ」とけっして言われない媒体ですが、ぜひ霞が関・永田町のお友達にお勧めください。

 野田佳彦代表は(金)10時半の定例記者会見で、立憲単独の修正案の政策パッケージを発表し、重徳和彦政調会長が自公の会長にご説明し、予算委の野党理事懇談会でも国、維らにも説明しました。法改正を伴うガソリン税の暫定税率廃止も焦点になります。基礎控除と給与所得控除を10万円ずつ引き上げる所得税法改正案(217閣法1号)も審議入りしていきなりギア最高となりました。

【立憲の野田代表定例会見】
 野田さんは「政権をとるための訓練として、70議員の本気の歳出削減チームが総がかりで取り組んだのは良いことだ。決算的視点で予算に取り組んだ」」とし「予備費と基金を減額しての事業費の増額はペイ・アズ・ユー・ゴー原則との整合性はないかもしれないが特例公債の追加発行はない」としました。

 陪席した重徳政調会長の奥野総一郎役員室長は、款項目の増設がないため、議院修正は可能で、目指すとしました。政策パッケージではガソリン税があるため、減税であり、増税は全くなく、基金の積み増し額減額を小中給食費、高校授業料拡充、介護・福祉の処遇改善、高額療養費の段階的引き上げ凍結に使うため、減税されつつ、単年度の政府支出によるGDP押し上げ効果につながると考えます。筆者の目算で、歳出入同額なのにGDPは0・4%上がります。

 午後4時から、自公立政調会長会談がいつもの「与党政策第一会議室」で開かれます。臨時国会序盤では自民党の松本洋平政調事務局長は「やべえ党本部に鞄を置いてきちゃった」とつぶやくと党職員が「持ってきました」とやってもらっていましたが、自民政調幹部のニュース映像は、党本部よりも議員会館での映像の方が目につきます。

【衆議院予算委員会】
 「令和7年度予算案」は10日目で一般質疑6日目、3時間コース。
 立憲の階猛さんは「防衛装備移転基金のお金を余らせた運用益は」に防衛相から「500万円」との答弁。階さんは畳みかけて「利払いは20億円だ」としましたが、財務相は「税金か、公債かは一概に言えない」といなしました。

 次回は、週明け月曜日(2/17)で、集中審議1回目7時間コースとなります。

 おとといの地方公聴会の報告もありました。第1班(高崎)は「学校給食無償化のための自治体への支援の必要性」「自治体病院の医師確保のための支援の必要性」「火山防災に係る法整備の不備」「法定受託事務に係る財政負担のあり方」などの意見が述べられました。質疑で「人手不足に起因する各地域の課題」「外国人労働者の子弟に対する教育のあり方」「災害避難時における介護のあり方」「観光地の高付加価値化を支援する補助金の必要性」「農業の6次産業化に向けた行政の支援」「体育館の冷暖房設備導入に係る文部科学省補助金の問題点」などについて質疑が行われました。

 第2班(広島)は「東京一極集中の是正」「地方創生の推進に係る自由度の高い財源確保」「地域医療体制の確保のための財政支援」「中山間地域における農業政策」「若者や女性等の転出増加の現状および地方創生2.0にも関する一極集中是正、中小企業の賃上げ等に対する国の支援策についての要望」などの意見が出ました。

【衆議院本会議】
 国会同意人事案が議決されました。今後、参議院本会議の手続きが必要です。

 重要広範議案4本のうちの1本目「所得税法改正案」(217閣法1号)が加藤財務大臣から趣旨説明され、首相も出席して、代表質問が行われました。

 国民民主党の田中健さんは「まず、年収103万円の壁について伺います。予算委員会の質疑の中で、税金を国民の皆様にお返しできる状況ではないとの総理の発言がありました。本当にそうでしょうか」と述べました。首相は「先日の答弁では、令和6年度当初税収との比較で、令和7年度税収が8・8兆円増加していますのは事実でございますが」、「厳しい財政事情だけではなく、歳出による給付等も考慮する必要があることから」「取りすぎているとのご指摘は必ずしも適切ではない」としました。首相はそのうえで「最後の基礎控除の引き上げ以降の物価動向等を考えし、基礎控除の額と、給与所得控除の最低保障額を10万円ずつ引き上げ、合計123万円とすることといたしたものでございます」と法案を説明しました。首相は「3党の幹事長間で12月11日に合意した内容すなわち178万円を目指して引き上げることなどにつきまして、引き続き関係者間で誠実に協議を進める」と答弁しました。

 れいわ新選組の高井崇幹事長は、記者団からの要望で毎(木)5時に定例記者会見をすることになり、山本太郎代表より発信回数が頻繁になりました。高井さんは登壇し「私もかつては不勉強でこうした事実を知らず、財務省の説明を鵜呑みにして、消費税増税法案に賛成してしまいました。本当に不明を恥じ、国民の皆様に申し訳ない気持ちでいっぱいです。当時の私は増税反対はポピュリズムだ。たとえ選挙に落ちても未来に責任を持つ政治家になりたいなどと考えていました。私でも、それは無知からくる間違いでした。財務省の説明を鵜呑みにしてマスコミにも煽られ、目の前で苦しむ人々を救おうともせず、これ以上国債を発行すれば、日本の財政を破綻する。減税は将来世代にプラスにならない。だろうという方がよほどポピュリズムです」と語りました。

 当時の高井さんは、議員会館地下2階の廊下で、物理的にも顔が上を向いていました。もちろん他の140名の同期議員と相対的に比較して、政策通で片手に持つ鞄が他の議員より重く、骨格と体格の関係もあったのでしょうが、人間こんなに顔が天井に向きながら歩けるものだなと思いつつ、すれ違いました。

【衆議院財務金融委員会】
 本会議散会後に速やかに付託され、「217閣法1号」の趣旨説明と法案審査の1巡目の前半として与党だけの質疑がありました。

【衆議院内閣委員会】
 大臣の所信表明に対する一般質疑2日目があり、与党議員のみが質疑しました。なんと公明党議員は政務官のみの答弁で満足しました。

●与党公明党政調会 きのう「第7次エネルギー基本計画」を了承しましたので、おそらく(火)の閣議に請議されるのでしょう。岡田克也・衆議院経済産業委員は「電力需要が増えるシナリオは初めて」と疑問視しています。

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Ⓒ2025年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。

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