これぞレクチャーコンサート! 適度な解説を交えた講座 & コンサートは優しいフルートの音色と共に曲の特徴を良く理解することができ、心地良いひと時を過ごすことができた。
12月16日(月)午後、北海道生涯学習協会が主催する「ほっかいどう学」かでる講座の11月講座が開催され参加した。
今回のテーマは「無伴奏曲からみるフルートの歴史について」と題して、札幌市内で大学や講座の講師を務める傍ら、演奏活動も展開している安保奈苗(あんぼ ななえ)氏が務められた。
※ フルート曲を演奏する安保奈苗氏です。
安保氏はまず、フルート演奏の場合はピアノ伴奏を伴った曲が多く、フルートだけの楽曲は比較的少ないということを話された。その少ない中から選んだ曲を紹介してくれた。
また安保氏の次の言葉が新鮮だった。「クラシックといっても案外歴史は浅く、初期の作曲家のバッハやヘンデルが活躍した1700年代は日本では江戸中期にあたる。その前にも活躍していた音楽家がいたかもしれないが、印刷技術が発達していなかったため楽譜が遺されていない」そうだ。音楽の発展と印刷技術の発展がリンクしていたとは面白い話である。
安保氏は「日本の出来事」、「日本の文化」、「日本のフルート・音楽界」、「世界の出来事」、「世界の文化」、「世界のフルート・音楽界」の六つの項目を時系列的に並べて提示してくれたために、時代と音楽(フルート)の変遷が良く理解できた。
時代背景や曲の特徴を解説しながら安保氏は次の9曲を演奏した。
(1) テレマンの「12のファンタジー」
(2) C.P.Eバッハの「無伴奏フルートソナタ」 ※以上2曲は古典派の曲
(3) ベームの「24のカプリス(奇想練習曲)」
(4) アンデルセンの「24のエチュード(練習曲) ※以上2曲はロマン派の曲
(5) ドビッシーの「シランクス」
(6) オネゲルの「雄山羊の踊り」
(7) フェルーの「3つの小品」 ※以上3曲は印象派の曲
(8) ジョリヴェの「5つの呪文」
(9) 武満徹の「巡り~イサム・ノグチの追憶に~」 ※以上2曲は現代の作品
※ 曲などの解説をしている安保氏です。
私が興味深かったのは、(6)の「雄山羊の踊り」である。演奏前に安保氏が「この曲は暗闇から夜が明けて、羊が目を覚まし活動を始めて、ちょっと休憩し…」と曲が辿る経過を解説した後で演奏したのだが、本当にその情景が浮かんでくるような演奏だった。
また(4)の「24のエチュード」はフルート奏者が必ず練習しなければならない練習曲のようで、彼女も修業時代に泣かされた曲ということだったが、息もつかせぬほどに速い指の運びを求められる曲で、その超絶技巧が見事で、演奏が終わった時には会場全体に「ホーッ」というため息が出たほどだった。
最後に披露してくれた10曲目の曲は題名をメモするのを忘れてしまい、紹介することができない。
私のブログで1 2月12日付けで札幌大学の高橋教授のレクチャーコンサートのことについてレポートした。そのときは演奏する曲を詰め込み過ぎたのではと記したが、今回は演奏する曲の数も適度で、解説も壺を心得たかのような説明だったように思われた。
説明の途中でフルート曲では有名なビゼーの「アルルの女」のさわりを演奏してくれたことも嬉しかった。
私は来春にももう一度レクチャーコンサートを聴く機会がある。今度はどのようなレクチャーコンサートになるのだろうか? 楽しみである。
12月16日(月)午後、北海道生涯学習協会が主催する「ほっかいどう学」かでる講座の11月講座が開催され参加した。
今回のテーマは「無伴奏曲からみるフルートの歴史について」と題して、札幌市内で大学や講座の講師を務める傍ら、演奏活動も展開している安保奈苗(あんぼ ななえ)氏が務められた。
※ フルート曲を演奏する安保奈苗氏です。
安保氏はまず、フルート演奏の場合はピアノ伴奏を伴った曲が多く、フルートだけの楽曲は比較的少ないということを話された。その少ない中から選んだ曲を紹介してくれた。
また安保氏の次の言葉が新鮮だった。「クラシックといっても案外歴史は浅く、初期の作曲家のバッハやヘンデルが活躍した1700年代は日本では江戸中期にあたる。その前にも活躍していた音楽家がいたかもしれないが、印刷技術が発達していなかったため楽譜が遺されていない」そうだ。音楽の発展と印刷技術の発展がリンクしていたとは面白い話である。
安保氏は「日本の出来事」、「日本の文化」、「日本のフルート・音楽界」、「世界の出来事」、「世界の文化」、「世界のフルート・音楽界」の六つの項目を時系列的に並べて提示してくれたために、時代と音楽(フルート)の変遷が良く理解できた。
時代背景や曲の特徴を解説しながら安保氏は次の9曲を演奏した。
(1) テレマンの「12のファンタジー」
(2) C.P.Eバッハの「無伴奏フルートソナタ」 ※以上2曲は古典派の曲
(3) ベームの「24のカプリス(奇想練習曲)」
(4) アンデルセンの「24のエチュード(練習曲) ※以上2曲はロマン派の曲
(5) ドビッシーの「シランクス」
(6) オネゲルの「雄山羊の踊り」
(7) フェルーの「3つの小品」 ※以上3曲は印象派の曲
(8) ジョリヴェの「5つの呪文」
(9) 武満徹の「巡り~イサム・ノグチの追憶に~」 ※以上2曲は現代の作品
※ 曲などの解説をしている安保氏です。
私が興味深かったのは、(6)の「雄山羊の踊り」である。演奏前に安保氏が「この曲は暗闇から夜が明けて、羊が目を覚まし活動を始めて、ちょっと休憩し…」と曲が辿る経過を解説した後で演奏したのだが、本当にその情景が浮かんでくるような演奏だった。
また(4)の「24のエチュード」はフルート奏者が必ず練習しなければならない練習曲のようで、彼女も修業時代に泣かされた曲ということだったが、息もつかせぬほどに速い指の運びを求められる曲で、その超絶技巧が見事で、演奏が終わった時には会場全体に「ホーッ」というため息が出たほどだった。
最後に披露してくれた10曲目の曲は題名をメモするのを忘れてしまい、紹介することができない。
私のブログで1 2月12日付けで札幌大学の高橋教授のレクチャーコンサートのことについてレポートした。そのときは演奏する曲を詰め込み過ぎたのではと記したが、今回は演奏する曲の数も適度で、解説も壺を心得たかのような説明だったように思われた。
説明の途中でフルート曲では有名なビゼーの「アルルの女」のさわりを演奏してくれたことも嬉しかった。
私は来春にももう一度レクチャーコンサートを聴く機会がある。今度はどのようなレクチャーコンサートになるのだろうか? 楽しみである。