映画は2005年制作の映画である。公開当時にこの映画を観ていたらこの日とはまったく違った感想を抱いたことだろう…。というのも、この映画の原作は現衆議院議員の義家弘介氏のベストセラー自伝が原作だからである。
映画三昧の三日間であった。といっても有料の映画は「パラサイト 半地下の家族」だけだったが…。
1月16日(木)午前、札幌市生涯学習センター(通称:ちえりあ)のちえりあホールにて今年第1回目の「ちえりあ映画会」があった。今回取り上げられた作品は2005年制作の「不良少年(ヤンキー)の夢」だった。
映画の原作者である義家弘介氏は映画公開時には、テレビなどで「ヤンキー先生」として有名となり、北海道内、とりわけPTAなど教育界において共感を寄せる方が多かった。私は確か2004年頃だったと思うがPTA研究大会において義家氏の講演を聴く機会があったが、その弁舌の爽やかさ、実践の素晴らしさに聴き入ってしまったほどだった。
※ 映画「不良少年の夢」関係者。左から伴杏里、松山ケンイチ、真野響子、義家弘介(原作者)、
花堂純次監督、三村順一プロデューサー
映画は素行不良のためにどこも受け入れるところがない義家少年を北星学園余市高校が受け入れた高校時代を描き、やがて母校へ教師として戻ってくるまでを描いたものである。
もし私が映画が制作された2005年頃に観たとしたら「よくぞ立ち直り、母校に教師として勤めるなんてすばらしい!」と素直に感動したことだろう。しかし、義家弘介氏のその後は2005年に北星学園余市高校を退職し、横浜市教育委員に就任、さらには参議院議員、衆議院議員と変遷を重ねる中で、義家氏の言動が教師時代とは正反対の言動を重ねていることを知り、今になってこの映画を観てもどこか鼻白む思いがするのだ。教師時代には弱者の側に立って、生徒の心に寄り添い、生徒が立ち直るために全身全霊を傾けていたあの義家弘介氏はどこへ行ったのだろうか??
義家氏のことはともかく、映画の中で義家弘介役を演じた松山ケンイチは心の弱さを内包しつつもツッパリ役を好演していた。また、実際の中でも義家氏の良き相談役だった安達俊子先生役の真野響子も、映画の中の重要な役として存在感を示していた。というように映画として観る分については十分楽しめる出来の映画であった。