憶えている方はいるだろうか?あのCMを。
♪飛べよー星までー気持ちをなびかーせてー
人がー言うほどー僕はタフゥじゃあなーいさー
というメロディに乗せて、中嶋悟がヨーロッパの街中を自転車で疾走していた、あのEPSONのCMを。
このアルバムには、安全地帯のギタリスト矢萩渉が唄うその「冒険者」という曲の他にも、中嶋自身が唄う、あのアンヘドラルウイングのティレル019をイメージしたと思われる珍曲「悲しき水中翼船」も収録されている。
あの頃のF1は、群雄割拠でホント面白かった。あの当時、私は中嶋がたとえば6位入賞しただけで、感動に打ち震えながら満足して床についたものだった。懐かしいなあ、あの'90年イタリアGP。
あの当時は、たとえば中嶋が予選でトップ10に入っただけでも結構感動モノであった。その点、佐藤琢磨は可哀相だよね。今乗ってるマシンの性能がそこそこイイってこともあるけど、予選で4位とかだったとしても誰も驚かない。ポールを取るか優勝するかしないと騒がれることは無いのだろう。あの当時の中嶋より確実に速いにもかかわらず、一般的な知名度は低く、来年のシートさえ確定していない。
ただ、あの当時の中嶋は年齢的にピークをすでに過ぎていたし、あの頃のF1マシンはパワステ無しでマニュアルシフトだったから、体が小さく体力の無い高齢な中嶋には大きなハンデだったろう。今のF1マシンを当時の中嶋だったらどう乗りこなすんだろうという事にはとても興味深いものがある。
あの頃の中嶋はホントにカッコイイおじさんだった。だが、今の彼のイメージは、あの頃よりももっとヨネスケに近づいてしまった・・・