さて、アコードの走りを愉しんだ後、我々取材班3名の意見は、「やはりトヨタ車に乗らずして国産車を語ることは出来ないだろう」との点で一致をみた。そんなワケで、次はネッツ店に向かったのである。いやあ、ホント、ディーラーの皆さん、いつもご迷惑おかけして、どーもすんません。
インプレッサともっとも近い存在は、トヨタでいえば、この「オーリス」であろう。実は、インプレッサと一番比較してみたいのは、マツダの「アクセラ」だったりするのだが、この日は時間の都合上それが叶わなかった。後日、機会を見て試乗してみたいと思ったりしている。
試乗車は、150X”S Package”の4WDモデルである。乗ってスロットルを踏むと、思った以上にスッと走り出すのだが、これは意図的にアクセルの「ツキ」が良くなるようにセッティングされているフシもある。ちょっとコレは敏感すぎるような気もしたりして・・・
その点はちょっと気になるのだが、巡航スピードになってしまうと、CVTも滑らかに、何の不満もなく、このオーリスは淡々と走るのだった。そう、まるでカローラみたいに・・・静粛性も高く、乗り心地もイイのだが、なんだか運転しているというよりは、クルマに乗せられているような感覚が強い。
なお、フローティングしたセンターコンソールのデザインやインテリア全体の質感は、トヨタ車らしく、ソツなく仕上げられている。
論理的に考えると、「育ちすぎたヴィッツ」のようなスタイリングを除けば、「なかなかいいクルマ」だったのだが、なぜか私の心には響かない。このクルマを所有する、自分の生活のイメージが沸かないのだ。
4WD車の場合、価格だって決して安くない。詳しくはWEBカタログ等で比較していただければ分かると思うが、トヨタ・日産・ホンダの4WD車の価格は、スバル・スズキのそれと比べて、明らかに割高なのである。それは私のように北海道在住の人間には、重要な点なのだ。
とはいえ、クルマという耐久消費財に、こだわりを持つ人間とそうでない人間とがいて、実際にはそうでない人間の方が大多数であろう。そこを分かっていて、確信犯的にその手のクルマを提供するトヨタというメーカーは、やはりしたたかであなどれないのである。さすが大トヨタ。