私が小学校の高学年だった’77~’78年頃。当時OLだった母が愛車「ギャラン∑」のカーコンポで好んで聴いていたのが、この「闇夜の国から/井上陽水」と「君のために作った歌/松山千春」のカセットテープであった。
当時はコドモだった私だが、コドモだっただけに、この井上陽水の作品は、スポンジに水が沁み込む様に、私の感性をゆさぶった。特に、ダリの絵画のようなシュールレアリズムに溢れる歌詞の「かんかん照り」が印象的だった。あの当時井上陽水を知っている友人は皆無だったし、井上陽水が偉大なシンガーだったということに気が付いたのは、私が中学校を卒業してからのことであった。今思えば、このカセットテープは、貴重な私の音楽の原体験である。それにしても、あらためて見てみても、このテープの選曲は、陽水の、珠玉の作品が揃っている。今もって素晴らしい。
ただし、このカセットで疑問なのは、「帰れない二人」についてのクレジット。忌野清志郎氏との共作であるハズのこの曲が、陽水単独での作詞・作曲となっている点である。ベスト盤によくありがちな誤植ですネ。