South Is. Alps
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Coromandel
Coromandel, NZ
Square Kauri
Square Kauri, NZ
Lake Griffin
Lake Griffin


枝豆と高菜の炒め物

冬瓜とキクラゲのスープ(干し貝柱をもどす。ガラスープの素とともに、冬瓜小口切りにして煮込む。紹興酒、ナンプラー、薄口醤油、胡椒で味を調える)
枝豆と高菜の炒め物(枝豆を茹ですぎないように炒めて、豆を取り出しておく。高菜漬けを細く刻み、水につけて塩出ししておく。水をしっかり切って、油炒めする。枝豆を加える)
麻婆豆腐(ニンニクと生姜をみじんに刻んでおく。ごま油でこれらを炒めて香り出しをする。豚挽肉を入れる。椎茸みじんを入れる。ネギ小口切りを入れて炒める。用意したたれ=甜麺醤・豆鼓醤・豆板醤・黒酢・紹興酒・中国醤油・醤油を入れてよくあわせる。仕上げに溶き片栗粉を入れてよく混ぜ、仕上げにごま油を入れる)

2005-07-28 23:27:52 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


『オルタード・カーボン』

リチャード・モーガン、2005、『オルタード・カーボン』、アスペクト

本書の仕掛けとしては「攻殻機動隊」や「マトリックス」よく似ているのだけれど、身体と情報に関わる「身体イメージ」について特に触れて、紹介してみたい。
人間の意識や記憶は後頭部に埋め込まれたチップに含まれており、チップを「スリーブ」と称される肉体に埋め込む事によって、肉体を着替える事ができる。また、チップの内容はサーバにバックアップする事ができるようになっている。その結果として、金持ちはそのバックアップされた情報をもとに次々と「スリーブ」を乗り換えて事実上永遠の命を持つ事ができる。そうした存在は「メト」(メトセラ)と呼ばれる。肉体の方は別途保管する事が可能で、まさに心身二元論の極致の世界である。
しかし、チップは「スリーブ」にたいして万能の存在として振る舞う訳ではない。例えば、主人公のコヴァッチが身にまとう「ライカー」という「スリーブ」はもともとヘビースモーカーであったらしく、本来のコヴァッチのチップのもつ習慣とは違う。肉体である「スリーブ」はチップに記憶されている情報を超えて、主張する事ができる。例えば、タバコがすいたくなるといったような。また、テニスをうまくプレイしたければ、そのような「スリーブ」をまとえば、筋肉の動きとして記憶している「スリーブ」情報を使って、テニスに堪能なプレイヤーとして振る舞う事ができるのである。
こうした心身二元論と情報科学的な背景設定が本書の重大なキモである。実は、ストーリーとしても、本書は悪くはないどころか優れているのだが、この手の背景設定が本稿で特にふれたいと言っている「身体イメージ」の部分である。
コヴァッチは「エンヴォイ」と呼ばれる特別に訓練された兵士である。「エンヴォイ」というのは、様々な神経刺激にも耐えうるように訓練を重ねた存在である。彼は、ストーリーの中で様々な経験をするが、ここであげるふたつの事例は大変興味深い。まずは、チップを交換するとどのようなスリーブにも変換しうるので、拷問のプロセスとして、エンヴォイという特殊能力を生かすことのできない肉体に転移させられる。また、異性に変換させられる。また、ストーリーの最後の場面でキーになる事柄であるが、彼は、同時期に別のスリープに自らをインストールして、そのあと、もとのひとつの人格にもどそうとする。これは、まさに、アイデンティティクライシスの課題について、ふれられたものである。また、新たなスリーブに変換されたときの違和感に関する表現が何とも興味深い。
さらに、クライアントが自殺するのだが(正確に言うと、そもそも、自殺はあり得ない境遇のクライアント、つまり、死亡するとセーブされているメモリに従って別のスリーブ、時によってはクローニングの技術によって同じ若い肉体、に変換されてよみがえるので、不死であるはずの者が自殺するというのはどういう意図であるのか、これは、この小説のキモなのでふれない)、こうした、肉体が入れ替わるときのアイデンティティクライシスの問題が繰り返し表れる。また、さらに、スリープは入れ替わり見かけは変わるのだが、人格的にはもとの人間であるので、もとの人間関係の中に収まるのだが、この関係が微妙である。たとえば、夫婦の間は肉体あるいは人格で結びつくのか。
まま、ネタばれもいいところなので、これ以上を書くことをはばかるが、まずは、お読みあれ。上下巻で結構なボリューム。私も寝本としたのでおもしろいところで眠くなったり、早寝のために切り上げなくてはならなくなったのではあるが、そういう読み方をしたとしても、これは、おもしろいと思う。ストーリーを追うこともよし、また、身体イメージについて想いをはせるのもよし。

<各書評:適当にサンプリング>
http://www.aspect.co.jp/np/details.do?goods_id=597
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20050509bk02.htm
http://www.webdokusho.com/shinkan/0505/t_9.htm
http://www.bookreview.ne.jp/book.asp?isbn=4757211295

オルタード・カーボン(全2冊)

株)アスペクト

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2005-07-28 18:17:34 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )