『在日ふたつの『祖国』への思い』
姜尚中、2005、『在日ふたつの『祖国』への思い』、講談社+α文庫
朝鮮半島の南北は相変わらず解決の糸口が見えない。日本政府の戦後処理についても、相手国の事を意識しない無神経な対応が続いている。こうした状況にあって、在日の代表的イデオローグの姜尚中のメッセージである。とりわけ、本書における「メードインジャパン」の半島人としての自己意識が心を打つ。アイデンティティは自らが状況の中で形成するものであって、在日半島人にとっては、どれでもありどれでもないという微妙な状況が繰り返し示される。
日本社会の問題は、大陸から少し離れた列島であるという地政学的状況が良くも悪くも、縄文弥生の時代以来の伝統を形作っている。これは、現代あるいは近未来的な状況にあって、はたして継続可能なものなのか。私は、それは、全くの幻想に思える。もう少し、自らのアイデンティティを顧みる必要があろう。姜尚中らのイデオローグの声を、もっと耳を澄ませて聞くべきではないのか。そして、開かれた社会へと打って出ることこそが必要なのではないのか。
朝鮮半島の南北は相変わらず解決の糸口が見えない。日本政府の戦後処理についても、相手国の事を意識しない無神経な対応が続いている。こうした状況にあって、在日の代表的イデオローグの姜尚中のメッセージである。とりわけ、本書における「メードインジャパン」の半島人としての自己意識が心を打つ。アイデンティティは自らが状況の中で形成するものであって、在日半島人にとっては、どれでもありどれでもないという微妙な状況が繰り返し示される。
日本社会の問題は、大陸から少し離れた列島であるという地政学的状況が良くも悪くも、縄文弥生の時代以来の伝統を形作っている。これは、現代あるいは近未来的な状況にあって、はたして継続可能なものなのか。私は、それは、全くの幻想に思える。もう少し、自らのアイデンティティを顧みる必要があろう。姜尚中らのイデオローグの声を、もっと耳を澄ませて聞くべきではないのか。そして、開かれた社会へと打って出ることこそが必要なのではないのか。
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