『須賀敦子全集〈第5巻〉イタリアの詩人たち、ウンベルト・サバ詩集ほか (河出文庫)』
須賀敦子、2008、『須賀敦子全集〈第5巻〉イタリアの詩人たち、ウンベルト・サバ詩集ほか (河出文庫)』、河出書房
本書の「解説」に池澤夏樹が書いているようには、日本人の伝統にはないイタリアの詩を理解するのは難しい。形式の問題だけではなく、本書は、翻訳である。原詩が持っている音の響き、韻、こうしたものを感じることは、とても難しい。原詩が添えられていたとしても読者がその意味や音を読み解くことは難しい。ましてや、それぞれの文化が持つ詩の形式は違うのだ。池澤は、それでもと、著者の訳業の意義をとくのであるが、それは、たしかにそのとおりで、また、著者のイタリアの生活感覚や実感も反映されていることだろう。それは、否定できない。だとすると、文化的背景の違う者にとってどのような理解があるのだろう。
わたしは、これは、わたしだけのことかもしれないということでいいのだけれど、著者が書き添えている説明文などの散文を読むことで十分共感ができたような気がする。もちろん、十分ではない。それは、むりなことだろう。そこで、訳者である著者が自らの体験に基づき、語ってること、これが、重要なのだと思う。
本書の「解説」に池澤夏樹が書いているようには、日本人の伝統にはないイタリアの詩を理解するのは難しい。形式の問題だけではなく、本書は、翻訳である。原詩が持っている音の響き、韻、こうしたものを感じることは、とても難しい。原詩が添えられていたとしても読者がその意味や音を読み解くことは難しい。ましてや、それぞれの文化が持つ詩の形式は違うのだ。池澤は、それでもと、著者の訳業の意義をとくのであるが、それは、たしかにそのとおりで、また、著者のイタリアの生活感覚や実感も反映されていることだろう。それは、否定できない。だとすると、文化的背景の違う者にとってどのような理解があるのだろう。
わたしは、これは、わたしだけのことかもしれないということでいいのだけれど、著者が書き添えている説明文などの散文を読むことで十分共感ができたような気がする。もちろん、十分ではない。それは、むりなことだろう。そこで、訳者である著者が自らの体験に基づき、語ってること、これが、重要なのだと思う。
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