『ジーノの家―イタリア10景 (文春文庫)』
内田洋子、2013、『ジーノの家―イタリア10景 (文春文庫)』、文藝春秋
正月に恩師KS師宅をたずねてごちそうになっている時、奥様のYさんと最近読んでいる本の話になり、須賀敦子さんの文庫の全集を買って寝本にしていますと話をしたら、Yさんも全集を持っていて愛読しているとのこと。内田洋子さんもおもしろいわよ、とのことだったので、早速注文して読んでみた。須賀敦子さんはやはり文学者、一方の内田洋子さんはジャーナリスト、世代としても2世代ほど違う。イタリア人との付き合いにやはりニュアンスの違いが現れているのはおもしろい。
本書は、10のエッセイからなっていて、それぞれ違う場所の違う人との出会いが描かれていて、それぞれが面白いが、ついつい、須賀さんとの感性の違いを目に止めてしまう。内田さんは、当然のことながら、ジャーナリスティックな視点があるので、イタリア社会の諸問題が関連してえがかれている。どっちがどっちというわけではなく、どちらも、ハマっていて、平行して読んでいきそうな気配。
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