「Silk」(Video)
Amazon PrimeでBBCビデオ「Silk」のシーズン1〜3と見た。
労働者階級出身の弁護士マーサ、彼女は人権派弁護士として弁護側に回る。イギリスの法曹制度は良く理解できていないが、事務弁護士たるソリシターと法廷弁護士のバリスターの2種があり、バリスターにはシルクという更に上級の名誉ある地位も用意される。くわえて、彼らは弁護士事務所(?)に属するが、同じ事務所から判事(裁判官)や訴追側の弁護士(検事?)となったり、弁護側の弁護士となったりする。これは、イギリスの法曹制度なので、よくわからないままに、ビデオを見続けることになる。
もちろん、主人公のマーサは人権派なので基本は弁護側で、被告の人権を守ろうと活躍することになる。とはいえ、被告の側の事情も実は様々で、ある種の生存競争が繰り返されることになる。裁判の弁論の過程で思わぬ事実(とはいえ、真実かどうかは、実のところはわからない)を知らされる。しかし、マーサは基本は被告を信じ彼らの人権を守ることこれが、彼女の原則として裁判に臨む。それは、彼女の出身階級や生育過程などにもちろんよっているわけだ。
このシリーズ1〜3はそれぞれ6回の番組で、はじめのうちは彼女の勝利、つまりは、Not Guilty = NG を勝ち取る過程が描かれていくのだが、シーズンが進むにつれて、果たして、真実とはなにか、問われていくことになる。
イギリスの法制度はよく理解できていない(もちろん、日本の法制度もすべて理解できているとは言えない)とはいえ、法制度の元の真実と様々な状況下のにおける真実、これは、誠に微妙な関係にあることがわかる。
わたしは、法廷を傍聴したことは一度しかないが、そのときも、たしか、まるで舞台のように真実が踊り、真実と法の定めるところは必ずしも一致しない。いや、真実とはあるのか?という疑問を抱くしかなかった。
AIによるChatGPTのような会話形式の応答により、従来の検索とはなにかとか、そもそも、真実とはなにか(ChatGPTが出してくる答えは、はたして、正しいのかどうか、それは、検証してみなければわからないという過程)まったく不明になっている現在を考えると、かえって、法曹(裁判や弁護などのプロセス)のシステム自身、疑問が湧いてきているのだが、どうだろうか?