東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

染め物の町だった田布施、染め物を再現できるか

2017年08月01日 | 綿栽培,糸つむぎ,織り,染色

 江戸時代の司馬江漢(絵師)の旅行記「西遊日記」(天明8年 1788年9月28日)に、田布施町のことが次のように記録されています。「多武瀬村あり、染物屋多し。是より岩国領に非ず。羽野の市と云う村を過ぎ此処にて休む」。この記述より当時の田布施町には多くの染物屋があったことが分かります。今から220年ほど昔の事ですが、実はつい60年位前まで田布施には染物屋があったのです。下の写真は、戦後に撮影された染物屋の写真です。

        昭和20年代、関戸橋よりやや下流にあった染物屋


 200年近い染め物の歴史があった田布施町、復活は無理としても再現できないか試行しています。上の写真を見る限り、藍の型染めのようです。藍は今栽培しているため、型染めに関わる用具さえあれば染め物ができそうです。型染めは切り絵と深い関係があります。染める型を切り絵で作るのです。水を通さない紙(柿渋紙など)に絵をかいて、彫刻刀などで切り抜きます。切り抜かれたものが型紙となります。

    彫刻刀などで絵又は模様を切り抜いた型紙、四角部分は模様の繰り返し


 型紙ができると、布の上に型紙を置いて、その上から防染糊を塗りこみます。糊が浸み込んだ布は藍に染まりません。その白い部分が模様となるのです。今回、試行の一つとして猫の模様を布に白く抜いた藍染めをしようと思っています。防染糊の作り方、防染糊の塗り方、糊の落とし方など、素人の私には分からないことだらけです。たまたま手に入れた猫の切り絵を使って、とにかく下手なりに染めてみようと思います。

    猫の切り絵、これを型紙に       細網が貼られている猫の切り絵
 

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