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素志を持つとは

2011年06月04日 | 読書
 松下幸之助の本など読んだことがあったろうか。

 PHP誌は何度も手にしたことがあるので、その文章に触れていることは確かだが、まとまって読むのは初めてだろう。

 『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』(松下幸之助 PHP研究所)

 確かに含蓄のある語りである。
 「松下政経塾の未公開テープ 約百時間から厳選された成功の知恵」ということだが、構成の良さもあって読みやすい。

 素志貫徹

 政経塾の五誓の一番目に挙げられるこの言葉は、シンプルだけれども考えさせられる。

 「初志貫徹」ではなく「素志貫徹」。
 「初志」と「素志」の違いは、奥深く思える。
 簡単に解釈できないかもしれないが、流れからいえば初志がある程度堅くなった姿としての素志、集中した強いイメージと細いけれど長いイメージ、単発と継続、発想と経験…そんな対比も思い浮かぶ。
 素志とは、ある程度の積み重ねや持続的な願いを感ずる言葉だ。

 語った言葉として「素志」が表されている部分はない。
 文中から拾って解釈しようとすれば、次のようになるだろうか。

 初志を貫くこと

 自分の思いというものは、その思いそのものにまちがいがなければ必ず達成できる

 行動の善なることを信じてやる


 素志を持つとは、つまり行動している姿である。