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ホトトギスの句から考えた

2011年06月05日 | 読書
 『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』(松下幸之助 PHP研究所)から、もう一つ考えたことを。

 名高い三人の武将の性格を、ホトトギスの句で喩えている逸話は、あまりに有名である。

 「鳴かずんば殺してしまえホトトギス」(信長)
 「鳴かずんば鳴かせてみようホトトギス」(秀吉)
 「鳴かずんば鳴くまで待とうホトトギス」(家康)

 個人的には「鳴くぬなら」という上句で覚えていたが、まあそこは同じでいいだろう。
 これらが実際にそう詠まれたものかどうか定かではないにしろ、松下ならどう続けると問われて、このような句を語る。

 鳴かずんばそれもなおよしホトトギス

 個人の性格はまた、対象をどう見るべきかという視点でまとめることもできる。

 信長は、対象を選別する。必要のあるものしか見ない。

 秀吉は、対象に働きかける。強制する、揺さぶる、あれこれ工夫する。自分の動きを見ている。

 家康は、対象を信じる。対象自らが鳴きだすまで、待つ、見ているよというアプローチを続ける(実際は、そこに何かの表現法がある)

 そして、松下は、対象を誉める。

 対象のよさに目をつけ、それを掬いあげる。こちらが何をねらうかはおかまいなしの姿をみせる。(少なくとも素振りを見せる)
 ホトトギスには鳴くよさ以外にも他の面があるのではないかと探す幅の広さを感じることもできる。

 戦国武将と経営者の比較をするのもなんだが、家康を一歩進めた形が松下かと思う。

 対象を常に誉める心がけを持てたら、経営者に限らず、生きていくうえでの宝になるとも思う。