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振り返れば,よつがある

2013年07月10日 | 雑記帳
 振り返れば奴がいる
 
 振り返ればよつがある

 単なるダジャレもどきです。
 20年前の名作ドラマ「振り返れば奴がいる」が、BS深夜枠で放送されていたので、録画して全11話を視聴した。

 好きなドラマだった。
 三谷幸喜脚本だったし、視聴率も高かったはずだ。
 それにしても、それにしても、今見るとさすがに20年前である。
 で、感じたことを「四つ」書き散らしてみよう。

 大病院が舞台のドラマ。一番先に「ああ」と思ったのは、ナースキャップだった。当然、全員が白の看護婦姿。今だと逆に新鮮に感じたりすることがある。
 手術室も頻繁に出てくるが、最近の病院ドラマと比べてその狭いこと、狭いこと。当然モニターなどもないし、上から見られるような部屋もない。この頃の病院ドラマはそれ自体が、ドラマ設定の大きな要素だし、服装・機器・設備等の進歩は凄いものだなあと改めて感じた次第…。


 次にカメラワークが古いこと。人物の顔の取り方やシーンのつなぎなど、あれれっこんなに平板だったかと、ちょっとびっくりした。あまり見ることはないが、今の韓国ドラマってこんな感じだなと思って家族にいったら、頷いてくれた。
 メイクも大げさだ。特に終盤、ガンに冒された石川(石黒賢)の顔色のつくり方など、ドリフのコントを彷彿させるようだった。結構笑えた。


 役者はなんといってもツートップの石黒賢と織田裕二だが、どちらも結構若々しさが出ていて、個性が際立ってよい。
 その後の活躍は当然織田が勝るのだろうが、正直どんな大ヒット作もこの作品のキャラクターを越えていない気もするのだが…。
 あとは患者たちに三谷作品の常連さんがいて、当時のトレンディーな女優たちもいるのだが、丈夫になった松下由樹はともかく、どこへいってしまったんだ…中村あずさ、そして千堂あきほ。


 このドラマの一番の衝撃は、なんといってもラストシーンだろう。
 「振り返れば奴がいる」というタイトルは、主人公二人の対立、葛藤や通低する要素をめぐったものと解釈される。
 その通りに11話が進んで、最後の数秒で「あっ」と思わせる。病院から出た司馬は突然背後から何者かに刺される。振り返れば、そこには元上司の平賀(西村雅彦)の泣き笑いの顔が…。
 「そうかあ、振り返れば奴がいるとは、こういうことなの」と、ごく単純に当時感じてしまったことを覚えている。
 ところが今改めて一つ思ったことは、刺される前の救急の存在。この頃の多くのドラマだと、こんな想定では司馬は病院へもどって救急患者のもとへ行くことを想像させて、御終い(つまり困難にめげす医師稼業は続いていく)という形が圧倒的だろうが、ここでは戻らない。
 これは結局すべての終わりを意味する。
 終止符はいつも西村だなあと思う。