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限りある時間の決意へ正対する

2013年07月29日 | 雑記帳
 花巻での「鍛える国語教室」研究会全国大会に参加した。いろいろな意味で刺激的な会だった。初参加ではあったが事前に役を仰せつかり,テーマである「学習用語」について一定の復習ができた。そして協議等を通じて今何が問題なのかを自分なりに消化できたように思う。忙しくもあったが充実した期間だった。


 大会のメインは児童対象の提案授業5本であった。力量のある教師が花巻の子どもたちを相手にそれぞれの提案を実際の場で見せてくれるのだから,面白くないわけがない。それにしても飛び込みでしかも30分の時間制限,領域と対象学年が示されたのみで,授業構想をするには決意の強さが必須だろうと感じた。


 宿泊先のホテルで前夜の酔いが多少残ったまま,早朝から風呂に入る。文庫本を携えてくるのを忘れ,仕方なくバスルームに持ち込んだのは指導案(笑)。大会の資料ではなく,昨日参加した元同僚から秋の研究会用の素案として手渡されたものだ。当然彼女なりの思いはあろうが「これは長すぎる」と感じてしまう。


 9時間の指導計画を長いと思ったり30分の提案授業をもう少しあればと思ったりしている。しかし考えてみれば,「限りある時間」に,何をどんなふうに示すかについて,当事者以外があれこれ思うことは勝手ではあるが,それをどのように口にするか,その点を疎かにはしてはいけないと今さらながらに思う。


 研究会等の場合,多くはどんなふうに示すかが議論の対象だ。その出来上がりがどんな背景を抱えて,どんな願いを持っているかを知りたい。もしかしたら提案者さえ気づかない,自覚していない思想や心理が潜む場合もある。そのあたりを注意深く根気よく聴くことこそ「限りある時間」の決意への正対ではないか。