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心に留めておくと決める

2015年07月09日 | 雑記帳
 ファイルにもぐり込ませた「モラロジ―」の会報が出てきた。その表紙に野口芳宏先生が「利他の心で生きる」という題で書かれている。文章の一節に「幸福の正体」という箇所がある。それを先生は「『人から大事にされること』ではないかと思うに至った」と記されている。この平凡に見える結論の深さに心打たれる。


 『ハーバードの人生を変える授業』(タル・ベン・シャハ― 成瀬まゆみ訳 だいわ文庫)を読み始めた。「はじめに」に書かれてある「生産的知識」という言葉に惹かれる。知識は財産と同じく、使わなければ何も生み出すことはない。52ある項目の最初は「感謝する」。ただ心で思っているだけでは何も生産されない。


 家族との会話で、周囲の方々との接し方の話題となった。「あの人は、いつも誉めてくれる」「○○のことを話題にしたら、嬉しそうだった」…人は言い方一つで印象づけられると改めて思う。加えて表情が加わればなおさらだ。毎朝の挨拶指導で特にこの頃感じるのは、声や表情の明るさこそが心を和ませるということ。


 偶然にネットで見かけたエピソードだが職員会議で引用した。それだけ心に沁みる風景だ。ある空港で疲れた様子でトランクに腰掛ける男に、係員が声をかける。その返答は「体はここに着いたが、心がまだ着かないので待っている」。私たちの日常にもそういうことがないか。心の存在と位置を見失っていないか。