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また昭和を引きずって

2015年07月29日 | 雑記帳
 夏休みが始まり、保護者面談が設定された。原則として4日間という設定だったが、今年はいつも行っている前半に4日連続で取ることがなかなかできない状況だった。それで仕方なく、休みの後半に2日廻す形となった。出張業務が本当に多く、今までなんとか出来ていたことも難しくなっている。危機感を抱く。


 本来なら家庭訪問であるべきだ、というのが持論だが、結局実現できないままとなった。玄関先でいい、今こそ個々の家の持つ「におい」のようなものを担任は感じ取らなければいけない気がする。しかしそれもプライバシーやら何やらと言われるのだろうか。それ以上に実施する時間のやり繰りがひっ迫してるか。


 うまく優先順位をつけられないためであることは分かっている。さらに言えば、学校の優先順位が、行政や保護者側の優先順位とすり合っていないからだろう。立場が違えば当然なのだが、その折り合いの難しさが昨今の教育問題の根深さだし、学校現場の敗北は続いている気がする。自分の責任が重いことも承知している。


 この辺で懐古へ逃げれば…すでに20年ほど前から、保護者側の家庭訪問尻込みモードはあった。職員室でもメンドウな業務という印象を持ち始めた教員も目立ってきた。保護者にどちらを希望するか訊ね、私の娘の学級ではわずか2軒だけが家庭訪問だったという結果は今も印象深い。うち1軒が自分だったからか。


 今となっては遠い感覚だが、「家庭訪問では担任の先生と飲もう」と思ってしまう性質だったか。当然、それは教員としての自分の経験がもとになっているわけだ。「順番の最後に来てくれ」と声をかけてくれる父母の存在が嬉しかった、若かりし頃の思い出にすがっているだけだ。昭和を引きずっていると笑ってくれ。