すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

ド素人の楽しみ方

2016年07月28日 | 雑記帳
 久しぶりに県立美術館に行ってみた。今回の企画展「異界をひらく」に少し興味を覚えた。絵そのものに対してあまり関心が高い方ではないが、文化的なものに少し触れようという殊勝な?気持ちもまだ残っているようだ。さて小一時間廻った印象は、やはりというか「ちょっとちょっと」というド素人感想だった。


 「異界」。広辞苑によると「日常とは異なる世界。物の怪や霊の住む領域」。様々な告知で予想はしていたが、不気味、不可思議の世界が展開されていた。そもそも美術系の人はどこか変だ(学生時代の経験に基づく偏見であることを前持って言訳します)。そこからさらにドロドロとした世界へ足を運んだ人たちの作品だ。




 石田徹也という人の描いた絵は、写実的なタッチなのでなんとなくわかりやすいなあと思ったが、「またかっ」と口をついたのは『無題』という作品名である。よくあることは知っている。いつぞや岡山の大原美術館にいった時も、何か積んだだけの立体にそう名づけたものがあり、笑ったり嘆いたり…。どうしたものか。


 「無題」について同じように感ずる人もいて、こちらのサイトは勉強になった。いずれ、自分なりの楽しみ方があれば美術鑑賞になるのだと悟る。薄っぺらい知識から関心があったのは、奈良美智、松井冬子の二人。奈良の『コズミック』はよく見かけるが、実物は迫力があった。あの目に引き込まれそうな感覚があった。


 松井の『この疾患を治癒させるために破壊する』という、(たぶん)桜が水面に映る姿を描いた作品にも惹きつけられた。しかし、どう題名と向き合うか、これはお手上げだった。疾患とは誰のものを指すとか、治癒と破壊がどう結びつくかとか、絵からよみとれない。それでも頭はフル回転する。やはり無題よりいい。