すぷりんぐぶろぐ

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人生を棒にふるつもりで

2016年07月15日 | 読書
 Volume8

 「人生を棒にふるつもりで、好きなことをとことんやればいいんです」



 異端と称してもいい小説家、西村賢太の言葉。

 これほどまでに逆説的な警句はめったにない。

 多くの叱責やアドバイスのパターンは、
「やりたいことだけやって、人生を棒にふってもいいのか」だろう。

 しかし、そうした定型めいた言葉より、百倍も心に響くような気がするのは、私だけだろうか。


 誰しも「人生を棒にふる」ことをよしとは思っていない。

 しかしまた、好きなことをやれずに生きていることが、結局は「棒にふる」ことになっているのではないかと、頭の中で時々浮かび上がってくることを止められずに、日々暮らしているのではないか。