すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

視線のくもりを拭え

2016年07月01日 | 読書
Volume5

A面  「人材というのは、いつまでもいい人材ではいられないのです。学び過ぎると、危険な世界が人間です。」

 免疫学の権威である、新潟大学安保徹教授のことば。
 「学びの大切さ」を語る人は数多いるが、その危険性について正面から述べる人は少ない。さすがに、様々な批判をものともせずに、免疫学を貫く大人(たいじん)だと思った。

 この逆説的な意味を補足すれば、自分のエネルギーを「細分化された学び」に使うことによって疲弊し、常識を欠いていくことを指している。
 その例を私たちは頻繁に目にしている。それは現実の学校制度がそうなっている証明ともいえそうだ。



B面  「日本の社会構造の転換のあるべき姿は、伊勢神宮をみればわかります。」

 EMの開発者として著名な名桜大学比嘉照夫教授が語ったこと。
 伊勢神宮にある巨木に、多くの日本人は畏敬の念を抱く。私のようなだらしのない者でも、数年前に訪れたときの感覚は忘れられない。
 それは千年以上前の人々が、意図的につくりあげてきたことであって、まさに「自然」との一体化のなかで「神様」の存在を示してきたことほかならない。

 都会に乱立するビル群と比較してみればいい。
 同じように高さを持つモノであっても、それに関わる精神は次元が違う。
 日本人が取り戻すべき心は、明らかであると思う。