すぷりんぐぶろぐ

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アイとエーアイ、その狭間で

2019年08月06日 | 読書
 雑誌広告で、この新書の題名と著者を見たとき、おおなんと!と思った。

 『世界の中心でAIをさけぶ』(片山恭一)

 座布団3枚ぐらいやりたい気分である。

 ・・・の中心で、と来たら「アイ」と言いたくなるが、今なら「エーアイ」と言わなくちゃならないと、つまずきそうになる。
 そのひっかかりと、「愛」と「AI」との関係も気になるし…。

Volume.172
 「人間のなかにAIによって収奪されない部分はあるだろうか。ぼくはあると思う。一人ひとりの固有性をAIは奪うことができない。それはどのようなものか。たとえば『好き』がそうである。」


 つまり、愛はAIを超えるといいたいのか。

 しかし、そう簡単か。
 私たちは今、数えきれないほど「好き」の誘導に晒されている。

 片山は「ぼくたちが誰かと出会い、恋に落ちることを解読するアルゴリズムは存在しえない」とも書くが、厳密にはそうだとしても、メディアはいかにもそうだと思わせられる情報を、まるで攻撃でもするかのように目の前に登場させてくる。
 人であれ、物であれ、事であれ、その関係性に深く介入してくる。

 そしてそれらは、徐々にAIによって操作された内容となりつつある。


 どう防ぐかを真剣に練っておかなければ…。
 固有性を守るとは、自分の愛を守ることだ。
 外からの情報遮断、制限抜きにこの命題は達成できない。


 こんなに力んで書き込んでいることを自嘲しながらも、あの映画のワンシーンを思い出す。
 決定的な場では、人前で思い切り叫ぶほどの覚悟が、愛を守るためには必要だと肝に銘じておきたい。