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梅雨が明けたらキニナルキ

2019年08月01日 | 読書
 読書に関する箴言(とまでいかなくとも、ちょっといい言葉)は、以前から目に留まる習性がついていたと思う。
 最近は女優というより書き手として、その名前を見ることが多い中江有里が「読むハードルを下げる」と題し、ある本の書評で納得の一言を書いていた。

Volume.170
 「本から得るものは読み手によっても本によっても違うし、誰に教えられるものでもない。最初から答え(結末)がわかっているなら、そもそも読む面白さも得られない。読むということは、つまり少し先の自分を作ることなのだ。自分の未来を面白くするのは自分次第。」


 加藤典洋という作家・批評家の存在は知っていたが、単著は読んだことがない。
 先日亡くなったということで、追悼文を詩人の荒川洋治が書いていた。そこに引用されていた文章を読み、少し驚いた。
 これほどの厳しさをもって文章というものを考える書き手は、ざらにはいないだろう。

Volume.171
 「『ある文章が力があるか、ないかは、そこにどんな妨害者がいて、乗り越えられているか、という形』で見定めることができるという。最強の妨害者とたたかう、そこに文章の意義と価値をみるのだ。」


 書くという行為の奥深さやスケールに対する想像が足りないな、じぶん。

 梅雨はなかったのに、梅雨明けという誰かの宣言に喜ぶな。