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コンピテンスと微笑み

2019年08月13日 | 読書
 きのう「三十年後、祖父として罪滅ぼしをします。」とは書いたものの…。
 このアバウトな性格は重々承知しており、またこまめに体が動くタイプでもないと自覚しており…
 ではどんなことを、と考えて頭に浮かんだのが、ひと月前ほど糸井重里が『今日のダーリン』に書いていた文章だ。


Volume.173
 最近知って、しみじみいいなぁと思ったのは、コンピテンス(competence)という概念です。硬い日本語訳だと「環境と効果的に相互交渉する能力」ということになるらしいのですが、ぼくなりに意訳すると「いろんなモノゴトと親しむ能力」という感じかなぁ。もっと別の、歌みたいな言い方をすれば、「わたしが世界に笑いかけ、世界はわたしに笑いかける」ということになるかもしれません。


 これが「自己肯定感」と強く関わることは間違いない。
 自己肯定感を養うことは、学校に勤めていた頃に、散々言われてきたことでもある。その通りとは思いつつ、どうもこれは小学校あたりでは手遅れではないかと感じていたことも確かである。
 もっとそれ以前、乳児・幼児の時期に「じぶんがいてよろこんでもらえる」という感覚を肌で感じている必要があるだろう。

 
 コンピテンスという概念を持つと、赤ん坊の動きや表情からその心を察するときの一つの基準ができるような気がする。

 「あやす」という行為を、語の定義以上に意味深く考えたい。
 つまり、単にその場をしのぐ機嫌取りだけではなく、世の中とどう関わりを持てば幸せに結びつくのか。

 それを、動作で、言葉で、表情で近くから支えてやるよ、という感覚だ。
 あなたがいてうれしいよと思う心を、表現することだ。

 それは、微笑みかけることで実現する。
 それだけを忘れないと決めて、できることに手を差し伸べればいい。