和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

はしにも棒にも。

2007-08-09 | Weblog
小西甚一著「古文研究法」(洛陽社)を読もうとおもったのですが、私には歯がたたない。どこからとりついてよいのかわからない。しかたないので高校の教科書、古典古文編・漢文編(第一学習社)をひらいて見ております。
そうしたら、漢文編の中に「日本の詩」とあり、3人の漢詩。菅原道真・管茶山の次の人が正岡子規。子規の「送夏目漱石之伊予」という漢詩が載っていてほっとします。
そういえば、高島俊男著「漱石の夏やすみ」(ちくま文庫)に、
こんな箇所がありました。「子規は木屑録をよんで、個別部分に関する批評はそれぞれの箇所の上部にしるし(これを眉批という)、おしまいに総評(感想文のようなもの)を書いて漱石にかえした。その全文はこの本の巻末につけてある。・・・例によってはしにも棒にもかからない悪文――いや悪文をとおりこした【非文】だが、そこはおたがい日本人どうし、いいたいことはわかる。・・はなしのすじみちもはなはだとおりがわるいが、とにかく、『きみのごときは千万年に一人』とほめていることはたしかである。明治41年に漱石はこうかたっている。・・・・漱石は子規の漢詩文の能力をいっこう買っていなかったのだが、しかし19年後にまだおぼえているところを見るとやはり漱石も人の子、ほめられたのはうれしかったのである。」(p227~231)
コメント (2)
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