和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

次元の違う問題。

2007-12-14 | Weblog
このブログを始めていて、面白いと思ったのですが、何か書けそうな気分になる時に、きまって書き込みを忘れているのでした(笑)。ちょっとした、まとまった筋の通ったことを書き込めそうだなあ。などと思った時が、まずたいてい書き込みを忘れる。なんだか中途半端なので、もうすこしあれこれ思って、などという欲張った考えがもたげてくると、その日、書きこめずに終わる。うん。この書き込み妨害の法則を何とかクリアしなければ。スムーズなブログ書き込みは望めないなあ。

暮れなので、すこし本の整理と思っていたら、こんな本が出てきました。板坂元著「発想の智恵表現の智恵」(PHP研究所・新書サイズ)。そこに2ページほどの「文章のスランプ克服法」(p109)なる箇所がありまして、板坂氏は、川島武宜著「ある法学者の軌跡」と林語堂著「作文上達の六秘訣」を引用したあとに、こうしめくくっておりました。

「そんなとき『自分には文才がないのか』『忙しくて仕事をする時間がない』など逃げたくなるが、自分に主張したいことがあれば、才能や時間などは次元の違う問題に過ぎない。だから、私はこんなときは思いっきりメモを取るなり、資料を整理するなりして戦闘体制を整える。」

うん。「思いっきりメモを取るなり、資料を整理するなり」ということで。
考えてみたら、いままでもそうしてブログに書きこみしていたわけで。
来年も、ブログを続けたいと思う12月でした。
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まじめに笑って。

2007-12-14 | Weblog
毎日新聞12月9日(日曜日)に、今週の本棚「2007年『この3冊』が載っておりました。毎年恒例で、執筆メンバー全員が「この3冊」を選んで短評を試みております。それが私はどちらの方の推薦本も一冊も読んでいないという結果でした。
それでは、せめて一冊でもと思いまして、簡単に読めそうな養老孟司さんの最初にあげていた本を読もうかなぁと思ったわけです。養老孟司さんは何を最初にあげておられたか。内田樹著「村上春樹にご用心」。その評がふるっております。短いですから全文。

「内田樹。まじめに笑って読める本って、めったにない。ひょっとするとむずかしいことが書いてあるんだけど、あっと思う間に読めちゃう。文章を体から書いている人は違いますね。」

ということで、その本を手に取ってみたのです。本の帯には「ウチダ先生、村上春樹はなぜ世界中で読まれるんですか? それはね、雪かき仕事の大切さを知ってるからだよ」

「『ダンス・ダンス・ダンス』で、「僕」は自分の仕事を【文化的雪かき】みたいなものだと説明している。雪が降ると分かるけれど、「雪かき」は誰の義務でもないけれど、誰かがやらないと結局みんなが困る種類の仕事である。プラス加算されるチャンスはほとんどない。でも人知れず「雪かき」をしている人のおかげで、世の中からマイナスの芽(滑って転んで頭蓋骨を割るというような)が少しだけ摘まれているわけだ。私はそういうのは、「世界の善を少しだけ積み増しする」仕事だろうと思う。」(p205)


そういえば、産経新聞12月7日の「産経抄」にも「雪かき」が出てきておりました。そちらも引用したくなります。

「平成10年1月、関東学院大学ラグビー部は初めて大学選手権の決勝に進んだ。国立競技場は、試合前日からの雪に覆われている。春口廣(ひろし)監督は、補欠の4年生を隊長に命じて、レギュラーメンバー以外の部員全員に雪かきをさせた。相手の明治の学生が来なかったことを知り、勝利を確信する。「相手はグランドに出ている15人だが、こちらは140人の部員全員で戦うことができる」。今年9月にNHK放映の「人生の歩き方」に出演した春口さんが、語っていた。」
こうはじまりそして
「・・勝負に勝つより、いい【雪かき隊長】が出てきてほしい、という。見事花を咲かせた雑草たちに何が起こったのか。たばこさえ、絶対禁止のはずの部員2人が、大麻取締法違反の現行犯で先月逮捕された。さらに部員12人の吸引が発覚する。・・監督を辞任した春口さん・・・」


もう一度、内田樹さんの本にもどります。

「村上春樹は長編小説を書いたあと、とんとんと原稿用紙の端をそろえて、また頭から全部書き直すそうである。それは自分の仕事を『完成させる』というよりもむしろ、『私は何で「こんなこと」を書いてしまったのだろう?』と思わせるような『私の中から出てきた謎』の跡を追って『見知らぬところ』に出てゆくことの愉悦を求めてではないかと推察されるのである。・・・」(p236)

「また頭から全部」と「雪かき」と。
とりあえず。「村上春樹にご用心」の後の方をぱらぱらと読んで、私はまだ頭から読んではいません。

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