和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

書評好き。

2008-07-06 | Weblog
え~。私は、小説嫌いの書評好き人間。
日曜日の新聞には、読書欄が並んでおりまして、
それを読むのが何よりも好きなのです。
それで、読みたくなるような書評に出会うとですね。
なんとも、その一日が楽しくなるような人間です。
今日も、今日とて、毎日新聞の書評欄で、
丸谷才一氏の書評を読んで、楽しくなりました。
困ることは、楽しい書評を読むと、買いたくなること。
困った。困った。と楽しんでいたりします。

さてっと。
丸谷才一評は
五味文彦、本郷和人編「現代語訳 吾妻鏡」全16巻。
既刊3巻の書評なのです。
すこし引用。
「『吾妻鏡』が徳川家康の愛読書だったことは有名だが」
へ~。そうなんだ。なんか興味が湧きますよね。こう語られると。
その次には、こうあります。
「『吾妻鏡』以前の史書は『古事記』『日本書紀』以来みな西国の朝廷中心の歴史だったが、『吾妻鏡』は東国に生れた武家政権の歴史で、『武家政権は武士たちの日常の動きのなかから形成されてきたが、頼朝はその武士たちをまとめて、いかに朝廷に自立した政権を築いていったのか、その腐心した様子をそこからは知ることができ、さらに鎌倉を中心とした東国に生れた社会や文化のあり方もうかがえる」と。」

これが書評の出だしでして。中ほどの引用もキレがあり。
後半には「とにかく『吾妻鏡』はおもしろい。」などと、
さりげなく、のたまう丸谷才一氏であります。

他に、堀江敏幸評や藤森昭信評、そして渡辺保評と書評で満腹。
うん。満腹したことにしておきます。
コメント
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