清水幾太郎監修「手記関東大震災」(新評論)という本があります。
現在は、オンデマンド版として購入できるようです。
私は古本で買いました。本の最後に清水幾太郎氏が「明日に迫ったこの国難 読者に訴える」という文を載せておりました。ここでは、この本に掲載されている写真で思ったこと(じつは、本自体は、清水氏の文しか読んでいないのです)。
震災直後の「浅草ひょうたん池」「隅田川畔に漂う死体」「隅田川に浮かんだ死体」「被服蔽跡」等々の白黒写真が所々に掲載されておりました。ちょっと死体といわれなければ、わかりにくい感じをうけます。
それで思い浮かんだのが、尾上柴舟の歌集でした。そこには
「大震の日」と題して8首。そこから4首ほど引用してみます。
ひたぶるに大空仰ぎ神まさばまさばとばかり乞ひのむ心
ゆれやみて思へば事のあらざりし昨日の日こそ尊かりけれ
とどろきは遠く過ぐれど大き葉の八つ手の梢(うれ)はまだゆれやまず
庭の木の梢ほのかに揺れのこり恐ろしき日の夕べせまれり
「潮と共に上る死人の群を見る」と題する8首もありました。
これや人黄色く黒く群がりて潮のまにまに上り来るは
群がりて黄黒き中にくれなゐの裳裾ほの見ゆ女なるらし
・・・・
ちょっと、これ以上の引用はやめときます。
ちなみに引用は「尾上紫舟全詩歌集」(短歌新聞社)より。
現在は、オンデマンド版として購入できるようです。
私は古本で買いました。本の最後に清水幾太郎氏が「明日に迫ったこの国難 読者に訴える」という文を載せておりました。ここでは、この本に掲載されている写真で思ったこと(じつは、本自体は、清水氏の文しか読んでいないのです)。
震災直後の「浅草ひょうたん池」「隅田川畔に漂う死体」「隅田川に浮かんだ死体」「被服蔽跡」等々の白黒写真が所々に掲載されておりました。ちょっと死体といわれなければ、わかりにくい感じをうけます。
それで思い浮かんだのが、尾上柴舟の歌集でした。そこには
「大震の日」と題して8首。そこから4首ほど引用してみます。
ひたぶるに大空仰ぎ神まさばまさばとばかり乞ひのむ心
ゆれやみて思へば事のあらざりし昨日の日こそ尊かりけれ
とどろきは遠く過ぐれど大き葉の八つ手の梢(うれ)はまだゆれやまず
庭の木の梢ほのかに揺れのこり恐ろしき日の夕べせまれり
「潮と共に上る死人の群を見る」と題する8首もありました。
これや人黄色く黒く群がりて潮のまにまに上り来るは
群がりて黄黒き中にくれなゐの裳裾ほの見ゆ女なるらし
・・・・
ちょっと、これ以上の引用はやめときます。
ちなみに引用は「尾上紫舟全詩歌集」(短歌新聞社)より。