ドナルド・キーン著「明治天皇」を古本で上下巻揃えて、机に立てかけてあるのですが、あああ、上巻を拾い読みして、そのままになっております。そのままになりながら、何となく明治天皇というキーワードが目につくのが不思議。
たとえば、渡部昇一著「父の哲学」(幻冬舎)にはこんな箇所がありました。
「こんにち、父親の権威が失墜したと言われているが、そのきっかけとなったのが、教育勅語の廃止である。教育勅語というのは、法律ではなく、明治天皇のお言葉である。・・・信奉するものにとって心の拠り所となる、リーダーの言葉なのである。これは本来なら議会が廃止できる性質のものではない。ところが、進駐軍の方針に従い、議会がさっさと廃止してしまったという経緯がある。当時大学生だった私が近所の床屋に行くと、子どもの頃から散髪してくれていたオジサンが、『いや、この頃は困ったもんだ』と言う。聞けば、『教育勅語がなくなったから、子どもを叱るわけにいかない』のだそうだ。そのように、教育勅語は一般庶民にとって、想像以上に大きな存在だったのである。もともと明治天皇が、この教育勅語を世に広めた背景には、当時の中国の衰退が影響していたようだ。それまで日本の倫理の規範となっていたのは儒教である。ところがその儒教の本場である中国が、アヘン戦争以後、西洋にめったやたらに食い荒らされていたのである。そんなところから、そんな国から来た儒教をお手本にしたままでいいのだろうかという疑問が明治初期のインテリの間に芽生え始めていたのだ。・・・・」(p174 ~175)ここから、佳境に入るのですが、その手前でやめときましょう。ちゃんと教育勅語全文も、引用されております。
さて、これからが語りたかったことです。
ちょうど、身近でですね。明治神宮にお年寄の方々とともに観光してきた人がおりました。その身近人(兄なのですが)は、明治神宮の絵入り案内パンフレットと、それから「教育勅語」と「五箇条の御誓文」と「明治天皇御製・昭憲皇太后御歌の一日一首」とが裏表に書かれている小さな蛇腹折の紙とをもらって来ておりました。しばらくして、欲しくてその二つのパンフレットをもらって、いまこうして手もとにあります。発行・明治神宮社務所とあります。五箇条の御誓文には「我国未曾有の変革を為んとし、朕躬を以て衆に先じ、天地神明に誓い、大に斯国是を定め、万民保全の道を立んとす。衆亦此旨趣に基き協心努力せよ。」とあります。御製(ぎょせい)御歌(みうた)は一日一首で、これまた魅力です。31日分が、奇数日が御製、偶数日は御歌と交互に並んでおります。
絵入りパンフには「歴史にふれ、自然に憩う神宮の杜。」とあります。
そういえば、私は明治神宮にも行ったこともないのでした。
せめてドナルド・キーンの上下巻は読んでおこう。
という思いで、こうして書き記しておくわけです。
追記。
ちなみに、教育勅語についてですが、
兄の嫁さんのお母さんは、お一人でお住まいです。
何でも、時に教育勅語を写経しているらしいのです。
そして私の嫁さんのお母さん。この明治神宮のパンフレットを見せて
話をしていたら、お母さんの実家の上の兄弟の家には、
教育勅語が額にして、家に置かれているというのでした。
たとえば、渡部昇一著「父の哲学」(幻冬舎)にはこんな箇所がありました。
「こんにち、父親の権威が失墜したと言われているが、そのきっかけとなったのが、教育勅語の廃止である。教育勅語というのは、法律ではなく、明治天皇のお言葉である。・・・信奉するものにとって心の拠り所となる、リーダーの言葉なのである。これは本来なら議会が廃止できる性質のものではない。ところが、進駐軍の方針に従い、議会がさっさと廃止してしまったという経緯がある。当時大学生だった私が近所の床屋に行くと、子どもの頃から散髪してくれていたオジサンが、『いや、この頃は困ったもんだ』と言う。聞けば、『教育勅語がなくなったから、子どもを叱るわけにいかない』のだそうだ。そのように、教育勅語は一般庶民にとって、想像以上に大きな存在だったのである。もともと明治天皇が、この教育勅語を世に広めた背景には、当時の中国の衰退が影響していたようだ。それまで日本の倫理の規範となっていたのは儒教である。ところがその儒教の本場である中国が、アヘン戦争以後、西洋にめったやたらに食い荒らされていたのである。そんなところから、そんな国から来た儒教をお手本にしたままでいいのだろうかという疑問が明治初期のインテリの間に芽生え始めていたのだ。・・・・」(p174 ~175)ここから、佳境に入るのですが、その手前でやめときましょう。ちゃんと教育勅語全文も、引用されております。
さて、これからが語りたかったことです。
ちょうど、身近でですね。明治神宮にお年寄の方々とともに観光してきた人がおりました。その身近人(兄なのですが)は、明治神宮の絵入り案内パンフレットと、それから「教育勅語」と「五箇条の御誓文」と「明治天皇御製・昭憲皇太后御歌の一日一首」とが裏表に書かれている小さな蛇腹折の紙とをもらって来ておりました。しばらくして、欲しくてその二つのパンフレットをもらって、いまこうして手もとにあります。発行・明治神宮社務所とあります。五箇条の御誓文には「我国未曾有の変革を為んとし、朕躬を以て衆に先じ、天地神明に誓い、大に斯国是を定め、万民保全の道を立んとす。衆亦此旨趣に基き協心努力せよ。」とあります。御製(ぎょせい)御歌(みうた)は一日一首で、これまた魅力です。31日分が、奇数日が御製、偶数日は御歌と交互に並んでおります。
絵入りパンフには「歴史にふれ、自然に憩う神宮の杜。」とあります。
そういえば、私は明治神宮にも行ったこともないのでした。
せめてドナルド・キーンの上下巻は読んでおこう。
という思いで、こうして書き記しておくわけです。
追記。
ちなみに、教育勅語についてですが、
兄の嫁さんのお母さんは、お一人でお住まいです。
何でも、時に教育勅語を写経しているらしいのです。
そして私の嫁さんのお母さん。この明治神宮のパンフレットを見せて
話をしていたら、お母さんの実家の上の兄弟の家には、
教育勅語が額にして、家に置かれているというのでした。