和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

ヤクルトと半七。

2008-07-01 | Weblog
家では、ビールなどの酒類は飲まないことにしよう。
と最近、あらためて(笑)決めました。
一番心配なのは、これからの夏をどうやり過ごすかです。
急いでつけくわえておくと、仲間との飲み会は別です。
あくまで、家でひとりで飲むのを止める。


ということで、最近古本を買いました。
旺文社文庫「半七捕物帳」全六巻。
ということで、まずは一巻目の数篇を読んだわけです。

 お文の魂
 石燈籠
 勘平の死
 湯屋の二階
 お化け師匠

旺文社文庫は、古いので、今の文庫とくらべると、文字が小さい。ちょっと、最初はそれが気になったのですが、読み始めると楽しい。文庫なので、ちょっとゴロとして読んでも気兼ねなく読めそうです。
さて、夏のビールにかわって。半七捕物帳を読む楽しみ。
そういえば、江戸時代は納涼のひとつに、怪談話があったですよネ。
梅雨でも、捕物帳のなかの雨は、これまた一味も違った風情を楽しめます。

ということで、「お文の魂」の雨を引用しておきます。
ちょいと、これが鮮やかな導入部に登場しております。


 おじさんは役所から帰って、もう夕飯をしまって、湯から帰っていた。
おじさんは私を相手にして、ランプの前で一時間ほど他愛もない話などをしていた。時々に雨戸をなでる庭の八つ手の大きい葉に、雨音がぴしゃぴしゃときこえるのも、外の暗さを想わせるような夜であった。柱にかけてある時計が七時を打つと、おじさんはふと話をやめて外の雨に耳を傾けた。
『だいぶ降って来たな』
『おばさんは帰りに困るでしょう』
『なに、人力車(くるま)を迎いにやったからいい』
こう云っておじさんは又黙って茶を喫(の)んでいたが、やがて少しまじめになった。
『おい、いつかお前が訊いたおふみの話を今夜聞かしてやろうか。化け物の話はこういう晩がいいもんだ。しかしお前は臆病だからなあ』
実際わたしは臆病であった。それでも怖い物見たさ聞いたさに、いつも小さいからだを固くして一生懸命に怪談を聞くのが好きであった。・・・




う~ん。でも、これで今年の夏の夜を過ごせるかどうか(笑)。
きっと、ビールのお化けが出てきやしないかと、いまから心配。
まあ、何気なく冷蔵庫からヤクルトを取り出して飲むように、
半七捕物帳の一篇を飲む、じゃなかった、読む。
というマイペースの読書計画。
ビールと半七とヤクルトと。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする