和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

毀誉褒貶。

2009-01-24 | Weblog
新聞も時に、いろいろ噛み合わさって、読み甲斐がある紙面が出来上がっている一日があるものです。たまたま産経新聞の1月22日がそうでした。一面「『危機と脅威』待ったなし」という古森義久氏の文。
そして、永年コラム「産経抄」を書いてきた石井英夫氏の「退社の辞」という4ページの全面をつかって写真入りの退社講演の文。
オバマ大統領就任演説詳報が6ページの全面。
「正論」は岡崎久彦氏の文。
26ページには「第25回土光杯全日本学生弁論大会」の主張要旨が全面で紹介されておりました。そこには日下公人氏の「審査委員長講評」も載っているので、つい、それを引用してみましょう。
「・・内容については、身近なところから述べられた大変感動的な発表があった。その身近な経験をもう一段階抽象化して普遍的なところにもっていく話が足りなかった。逆に日本国家の根幹をつくれ、という高尚な議論には具体例が少なかった。米国の言語学でいう『抽象の階段』では、言葉は具体的なものから抽象的なものへピラミッドの階段のように上がっていく。この階段を自由に上がり下りできる人が『考える人』であり『言える人』。日本は同年齢の人を集めて教育しているせいもあり、年上の人と年下の人、上下の概念をつなぐ力が衰えている。こういうイベントを通じて、その点に目覚めてほしい。」

ところで、ここで私が引用したかったのは、岡崎久彦氏の「正論」の文なのでした。
その後半だけでも引用しておきたかった。

「麻生総理は最近とかく批判の対象となっているが、そんな世上の評は浮草の如(ごと)きものである。私が感心しているのは2点である。1つは3年後の消費税増額を決して譲らないことである。これは日本の財政経済について確固たる見識があって初めてできることである。
かつて消費税導入で内閣支持が急落し、秘書の自殺もあって引退直前という時期に訪タイした竹下総理が、消費税だけは後世に残せる業績だと思うと淡々と私に語られた。その国を思う見識に深い感銘を受けたことを思い出す。
もう1つは、麻生総理が『集団的自衛権の解釈は変えるべきだと、ずっと同じことを言ってきた』と平然と発言されたことである。・・・・要は国益であり、世上の毀誉褒貶(きよほうへん)などは塵芥(じんかい)の如きものと考えるべきである。」

世上は麻生総理への批判で充満しております。
片方の意見だけしか聞けないマスコミというのは、一体何の役割があるというのでしょう。戦時中もそうでしょうが、一方的な意見ばかり聞かされる方としては、たまったものではありません。そういう意味で岡崎氏の「麻生総理のブレない『見識』」を貴重なご意見として拝読しました。

コメント
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