諸君!2009年2月号。
新春特別企画「77人、わが座右の銘」。
また、この企画をパラパラと読んでいます。
二宮清純(スポーツジャーナリスト)は、
上杉鷹山の「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」を上げておりました。それにつけた二宮氏の文の最後が印象に残ります。
「北京五輪を振り返れば、最も日本国民を感動させたのはソフトボールの金メダルだったろう。エース上野由岐子の熱投はどれだけ褒めても褒めたりないが、斎藤春香監督の統率力、采配も見事だった。なぜか日本代表の外野手はナイトゲームでサングラスをかけていた。斎藤によれば、北京の球場の照明はまぶしく、ライナー性の打球だとボールに光がかぶってくる。そのリスクを少しでも取り除くため、あるメーカーに依頼し、ナイトゲーム専用のサングラスをつくらせたというのである。翻って惨敗を喫した星野ジャパン。フライをポロポロ落とした外野手がいた。その選手はデーゲームにもかかわらずサングラスをかけていなかった。指揮官はそれについて何の注意もしていなかった。両者の違いについて聞くと、斎藤はおもむろにこう言った。『私たちは必死だったんです。あらゆる状況に対応できなければ金メダルはとれない。大会前にやれることはすべてやっておきました』勝つには理由がある。負けるには負ける理由がある。気概も心構えもないリーダーの下で、いったい何ができよう。」
産経新聞のコラム「断」でも、二宮清純氏の文を楽しみにしております。
そういえば、野村克也氏の座右の銘は「生涯一捕手」。
その文にこうありました。
「生涯の師と仰ぐ草柳(大蔵)さんからは、たくさんのことを教わりました。ご自宅に伺うと、二階の書斎にはいくつも本棚が並んで、まるで図書館のようです。『先生、これを全部お読みになったんですか』と訊くと、『もちろんです』と。自分の無学を恥じましたね。そんな私に、草柳さんはしきりに本を読むように勧めました。しかし、それまで私は野球しかしてこなかったですから、何から手をつけていいものか、皆目分からない。そう申しあげると、草柳さんは本棚から一冊の本を抜きだし、『ゆっくりでいいから、これを読みなさい』と手渡してくれたんです。東洋思想研究の大家、安岡正篤の『活学』でした。『一冊の本で、ためになる場所が一ヵ所見つかったら、それで十分だ』とも仰った。・・・それ以来、読書が習慣になりました。・・・」
この企画。数人の座右の銘を読んでいるだけで、満腹する。とても簡単には読み通せないのでした。せめて、一ヵ所でもというように拾い読みしております(笑)。
新春特別企画「77人、わが座右の銘」。
また、この企画をパラパラと読んでいます。
二宮清純(スポーツジャーナリスト)は、
上杉鷹山の「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」を上げておりました。それにつけた二宮氏の文の最後が印象に残ります。
「北京五輪を振り返れば、最も日本国民を感動させたのはソフトボールの金メダルだったろう。エース上野由岐子の熱投はどれだけ褒めても褒めたりないが、斎藤春香監督の統率力、采配も見事だった。なぜか日本代表の外野手はナイトゲームでサングラスをかけていた。斎藤によれば、北京の球場の照明はまぶしく、ライナー性の打球だとボールに光がかぶってくる。そのリスクを少しでも取り除くため、あるメーカーに依頼し、ナイトゲーム専用のサングラスをつくらせたというのである。翻って惨敗を喫した星野ジャパン。フライをポロポロ落とした外野手がいた。その選手はデーゲームにもかかわらずサングラスをかけていなかった。指揮官はそれについて何の注意もしていなかった。両者の違いについて聞くと、斎藤はおもむろにこう言った。『私たちは必死だったんです。あらゆる状況に対応できなければ金メダルはとれない。大会前にやれることはすべてやっておきました』勝つには理由がある。負けるには負ける理由がある。気概も心構えもないリーダーの下で、いったい何ができよう。」
産経新聞のコラム「断」でも、二宮清純氏の文を楽しみにしております。
そういえば、野村克也氏の座右の銘は「生涯一捕手」。
その文にこうありました。
「生涯の師と仰ぐ草柳(大蔵)さんからは、たくさんのことを教わりました。ご自宅に伺うと、二階の書斎にはいくつも本棚が並んで、まるで図書館のようです。『先生、これを全部お読みになったんですか』と訊くと、『もちろんです』と。自分の無学を恥じましたね。そんな私に、草柳さんはしきりに本を読むように勧めました。しかし、それまで私は野球しかしてこなかったですから、何から手をつけていいものか、皆目分からない。そう申しあげると、草柳さんは本棚から一冊の本を抜きだし、『ゆっくりでいいから、これを読みなさい』と手渡してくれたんです。東洋思想研究の大家、安岡正篤の『活学』でした。『一冊の本で、ためになる場所が一ヵ所見つかったら、それで十分だ』とも仰った。・・・それ以来、読書が習慣になりました。・・・」
この企画。数人の座右の銘を読んでいるだけで、満腹する。とても簡単には読み通せないのでした。せめて、一ヵ所でもというように拾い読みしております(笑)。