久保田万太郎全集(中央公論社)。
その第14巻は俳句の巻。
パラパラと、夏の句をさがす。
行水の湯の沸きすぎてしまひけり
汗の目に入りたる泪おさへけり
またしても愚痴をいふなり汗拭ひ
町を行く町につくつく法師鳴き
水打つや一(ひ)トうちづつの土ほこり
水を打つみちの夕日のいま眞面(まとも)
暑き日のはじまる簾下ろしけり
夏座敷またしてもとり散らしけり
夏のれん風そよりともせざりけり
箸涼しなまぐさぬきのきうりもみ
冷麥やかしこまりたる膝のまへ
冷麥の三箸がほどの涼しさよ
あさがほや悔いておよばぬことばかり
あさがほに老後のなげきおもひ知る
ひぐらしや去年のけふもこの部屋に
ひぐらしやけふをかぎりの夏時間
かなかなのいままで鳴いてゐたりしが
夏の月いま上(あが)りたるばかりかな
晩涼や海ちかけれどみに行かず
ちなみに、
この全集第14巻を最初からめくっていて、
最後の方に至ると、「季題別全俳句集」として
月ごとの俳句があるのでした(笑)。
あらためて、そちらを見ると、
見落としている俳句が、きちんと並びます(笑)。
最後にこれ
また九月一日来る秋の蝉
波の音をりをりひびき震災忌
かまくらの月のひかりや震災忌
終戦
何もかもあつけらかんと西日中
その第14巻は俳句の巻。
パラパラと、夏の句をさがす。
行水の湯の沸きすぎてしまひけり
汗の目に入りたる泪おさへけり
またしても愚痴をいふなり汗拭ひ
町を行く町につくつく法師鳴き
水打つや一(ひ)トうちづつの土ほこり
水を打つみちの夕日のいま眞面(まとも)
暑き日のはじまる簾下ろしけり
夏座敷またしてもとり散らしけり
夏のれん風そよりともせざりけり
箸涼しなまぐさぬきのきうりもみ
冷麥やかしこまりたる膝のまへ
冷麥の三箸がほどの涼しさよ
あさがほや悔いておよばぬことばかり
あさがほに老後のなげきおもひ知る
ひぐらしや去年のけふもこの部屋に
ひぐらしやけふをかぎりの夏時間
かなかなのいままで鳴いてゐたりしが
夏の月いま上(あが)りたるばかりかな
晩涼や海ちかけれどみに行かず
ちなみに、
この全集第14巻を最初からめくっていて、
最後の方に至ると、「季題別全俳句集」として
月ごとの俳句があるのでした(笑)。
あらためて、そちらを見ると、
見落としている俳句が、きちんと並びます(笑)。
最後にこれ
また九月一日来る秋の蝉
波の音をりをりひびき震災忌
かまくらの月のひかりや震災忌
終戦
何もかもあつけらかんと西日中