産経新聞2015年7月16日でした。
茂木健一郎著「東京藝大物語」(講談社)
を取り上げた北康利氏の書評が、
気になっておりました。
それで、今回新刊購入(笑)。
日本にある芸術大学遊園地へと
5年間の講師潜入を果たした記録小説?
この巨大遊園地へは、どう入るか?
「いえ、四浪しました。」
「いいえ、ぼ、ぼくは、一浪です!」
結果報告としては、
「何しろ、何十倍という入試をくぐり抜けて、
東京藝術大学に合格した彼らではあるが、
その中で、作品を売って食えるアーティストになるのは、
ほんの一握り。一説には、十年に一度出れば良い、
とも言う。・・それでも、成果が出るとは、
限らない。下手をすれば、東京藝術大学に合格した時が、
人生の頂点だった、ということになりかねない。
イヤ、実際、大抵はそうなのだろう。」(p33)
気になるのは、卒業制作。
「アーティストの卵たちは、芸術の『自由』を
『空気』のように吸って過ごしている。しかし、
その自在の空間から、いかに『作品』という
地面に着地するか、その間合いが難しい。・・
卒業制作とは、ふわふわと空を飛んでいた学生たちが、
卒業という大地に着地する、そのライディングの姿勢を
競う場なのだ。いろいろやらかしてきた彼らも、
いよいよ、『真実の瞬間』に自らの姿をさらして見せな
ければならない。
嗚呼、その『具体』の頼りなさ、切なさよ。
心細いね!」(p174~175)
ちなみに、p57には
こんな箇所が
「実際、インターネットの匿名掲示板には、
『東京藝術大学の卒業生の就職状況wwww』
『藝大就職、草生える』といったスレッドが立ち、
『油絵科。卒業生60人、就職0人、進学22人、
未定・他38人』といった『驚愕』のデータが
議論の対象になり・・・などと揶揄する書き込み
が行われているのであった。
ヒドイ。ヒドイが、真実でもある。
芸術の道は厳しい。
アーティストとして生きていくのは辛い。・・」
講師潜伏実況記録報告小説として読みました。
ひょっとして、現代の一遍上人は、
履歴書に東京藝大卒と書くのだろうか、それとも
東京藝大を受けて落ちると書いてあるかもしれない。
読後に、そんなことが思い浮かんだりして(笑)。
茂木健一郎著「東京藝大物語」(講談社)
を取り上げた北康利氏の書評が、
気になっておりました。
それで、今回新刊購入(笑)。
日本にある芸術大学遊園地へと
5年間の講師潜入を果たした記録小説?
この巨大遊園地へは、どう入るか?
「いえ、四浪しました。」
「いいえ、ぼ、ぼくは、一浪です!」
結果報告としては、
「何しろ、何十倍という入試をくぐり抜けて、
東京藝術大学に合格した彼らではあるが、
その中で、作品を売って食えるアーティストになるのは、
ほんの一握り。一説には、十年に一度出れば良い、
とも言う。・・それでも、成果が出るとは、
限らない。下手をすれば、東京藝術大学に合格した時が、
人生の頂点だった、ということになりかねない。
イヤ、実際、大抵はそうなのだろう。」(p33)
気になるのは、卒業制作。
「アーティストの卵たちは、芸術の『自由』を
『空気』のように吸って過ごしている。しかし、
その自在の空間から、いかに『作品』という
地面に着地するか、その間合いが難しい。・・
卒業制作とは、ふわふわと空を飛んでいた学生たちが、
卒業という大地に着地する、そのライディングの姿勢を
競う場なのだ。いろいろやらかしてきた彼らも、
いよいよ、『真実の瞬間』に自らの姿をさらして見せな
ければならない。
嗚呼、その『具体』の頼りなさ、切なさよ。
心細いね!」(p174~175)
ちなみに、p57には
こんな箇所が
「実際、インターネットの匿名掲示板には、
『東京藝術大学の卒業生の就職状況wwww』
『藝大就職、草生える』といったスレッドが立ち、
『油絵科。卒業生60人、就職0人、進学22人、
未定・他38人』といった『驚愕』のデータが
議論の対象になり・・・などと揶揄する書き込み
が行われているのであった。
ヒドイ。ヒドイが、真実でもある。
芸術の道は厳しい。
アーティストとして生きていくのは辛い。・・」
講師潜伏実況記録報告小説として読みました。
ひょっとして、現代の一遍上人は、
履歴書に東京藝大卒と書くのだろうか、それとも
東京藝大を受けて落ちると書いてあるかもしれない。
読後に、そんなことが思い浮かんだりして(笑)。