「新潮45」9月号。私には読み甲斐がありました。
徳岡孝夫氏の巻頭随筆は、毎回1頁です。これだけでも、
今回だけでも、立ち読みして欲しいんだけどなあ。1頁。
雑誌の最後には、佐伯啓思氏の連載。
今まで未読だったのですが、何気なくめくっていると
道元への言及で終っておりました。
ほかには、
朝日新聞社へ抗議しに行ってきた
ケント・ギルバートさんと山岡鉄秀さんの
お二人が別々に寄稿しております。
どちらもいいんだけれど、ここでは、
山岡鉄秀氏の文のはじまりを引用。
「今年の2月22日、オーストラリアで衝撃的な本が出版された。
タイトルはSilent Invasion。直訳すれば、『静かなる侵略』だ。
サブタイトルは『オーストラリアにおける中国の影響』。・・
人口2500万人程度のオーストラリアで、発売以来2万部以上が
売れたベストセラーとなっている。大手書店や空港の書店では
現在も平積みされている。・・・・」
以下に山岡氏は、著者と本の内容とを噛み砕いて紹介しておられます。
「新潮45」9月号の特集は「『茶の間の正義』を疑う」。
山本夏彦氏の言葉を、特集の題名に取り上げたのでした。
「新潮45」の巻頭随筆の徳岡孝夫氏が、私に印象に残り、
何とか、とりあげたいと思うのでした。
どこから、はじめましょう。
と本棚から取り出したのが、
徳岡孝夫著「完本 紳士と淑女 1980~2009」(文春新書)。
そのまえがきに故山本夏彦氏への言及があります。
「・・・私は長く『諸君!』巻末を書いた
故山本夏彦の名言を思い出さずにはおられない。
『汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼす』というのである。
すべての人間には金銭欲があるから、汚職は永遠になくならない。
汚職を完全追放するには、人間すべてを殺す以外に手はない。
だが、正義は、国を滅ぼせる。・・」
「諸君!」の巻末コラムは山本夏彦でした。
「諸君!」の巻頭コラムはどなただったか。
まえがきは、つづきます。
「三十年間『諸君!』に書き続けたコラム・・三十年という長い年月、
私は休むことなく『紳士と淑女』の材料を探しながら暮らした。
雑誌『諸君!』巻頭の七ページに何を書くか?
月によって違うが毎月18~20日に〆切りが巡ってくる。
その日に備えて、一日も休まずに日本語三紙、英語一紙の新聞を切り抜く。
関係のある資料を探す。材料をひねくり回し、ほぼ一週間かけて書き上げる。
読み返し、ときには改稿する。〆切りの日が来ると、
午後一時には学生アルバイトがJR駅前まで受け取りに来る。
落ち合って三階の食堂で厚切りポークカツ二つとビール小瓶一本を注文する。
食べ終わったところで原稿の入った封筒を手渡す。
『落とすな』『電車の中で居眠りするなよ』・・・・。
食堂は横浜市南部の駅前ショッピングモールにある。
三十年間に私はトンカツを計720皿注文した勘定になる。
取りに来る学生アルバイトには男も女もいたが、
『お腹いっぱいですから』と厚切りポークカツを辞退した子は、
ついに一人もいなかった。
ぶらぶら歩いて帰宅する。原稿を渡してから一時間半ほどして、
編集部から『届きました』と電話がある。責任は私の手を離れた。
書斎の床いっぱいに散らばった切り抜きを片付ける。
毎月、同じように責任を果たしてきた。」
もう少し引用させてください(笑)。
ちなみに、これが書かれたのは平成21年8月です。
「鳩山演説を聞いて・・・友愛の次は正義か!
私はほとんど卒倒しかけた。これを書かずに何を書くか。
思わず立ち上がってバンザイを叫びかけたが、
その瞬間、我に返った。私の右腕には点滴の針が差され、
チューブの下には尿瓶がぶら下がっていた。
三月(2009年)に入院する直前、
『諸君!』の編集長から『六月号で休刊になります』と、
雑誌の終焉を聞かされていた。おまけに私の視力は
近頃とみに悪化し、大きいルーペを使っても
もはや新聞の切り抜きは読めなくなった。・・・」
こうして、書いた方が、2018年の現在「新潮45」に巻頭随筆を連載。
こちらは、たかだか1頁なのですが、ぜひとも、立ち読みでいいので、
「新潮45」9月号の徳岡孝夫の巻頭随筆を読んでみて頂きたい。
はい。それを読んでもらいたいがために引用を重ねました(笑)。
そこにあったのは、
1ページの巻頭随筆で、学べる「ジャーナリズムとは何か」。
どうぞ、本屋へ行く機会がありましたら、ご覧ください。
徳岡孝夫氏の巻頭随筆は、毎回1頁です。これだけでも、
今回だけでも、立ち読みして欲しいんだけどなあ。1頁。
雑誌の最後には、佐伯啓思氏の連載。
今まで未読だったのですが、何気なくめくっていると
道元への言及で終っておりました。
ほかには、
朝日新聞社へ抗議しに行ってきた
ケント・ギルバートさんと山岡鉄秀さんの
お二人が別々に寄稿しております。
どちらもいいんだけれど、ここでは、
山岡鉄秀氏の文のはじまりを引用。
「今年の2月22日、オーストラリアで衝撃的な本が出版された。
タイトルはSilent Invasion。直訳すれば、『静かなる侵略』だ。
サブタイトルは『オーストラリアにおける中国の影響』。・・
人口2500万人程度のオーストラリアで、発売以来2万部以上が
売れたベストセラーとなっている。大手書店や空港の書店では
現在も平積みされている。・・・・」
以下に山岡氏は、著者と本の内容とを噛み砕いて紹介しておられます。
「新潮45」9月号の特集は「『茶の間の正義』を疑う」。
山本夏彦氏の言葉を、特集の題名に取り上げたのでした。
「新潮45」の巻頭随筆の徳岡孝夫氏が、私に印象に残り、
何とか、とりあげたいと思うのでした。
どこから、はじめましょう。
と本棚から取り出したのが、
徳岡孝夫著「完本 紳士と淑女 1980~2009」(文春新書)。
そのまえがきに故山本夏彦氏への言及があります。
「・・・私は長く『諸君!』巻末を書いた
故山本夏彦の名言を思い出さずにはおられない。
『汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼす』というのである。
すべての人間には金銭欲があるから、汚職は永遠になくならない。
汚職を完全追放するには、人間すべてを殺す以外に手はない。
だが、正義は、国を滅ぼせる。・・」
「諸君!」の巻末コラムは山本夏彦でした。
「諸君!」の巻頭コラムはどなただったか。
まえがきは、つづきます。
「三十年間『諸君!』に書き続けたコラム・・三十年という長い年月、
私は休むことなく『紳士と淑女』の材料を探しながら暮らした。
雑誌『諸君!』巻頭の七ページに何を書くか?
月によって違うが毎月18~20日に〆切りが巡ってくる。
その日に備えて、一日も休まずに日本語三紙、英語一紙の新聞を切り抜く。
関係のある資料を探す。材料をひねくり回し、ほぼ一週間かけて書き上げる。
読み返し、ときには改稿する。〆切りの日が来ると、
午後一時には学生アルバイトがJR駅前まで受け取りに来る。
落ち合って三階の食堂で厚切りポークカツ二つとビール小瓶一本を注文する。
食べ終わったところで原稿の入った封筒を手渡す。
『落とすな』『電車の中で居眠りするなよ』・・・・。
食堂は横浜市南部の駅前ショッピングモールにある。
三十年間に私はトンカツを計720皿注文した勘定になる。
取りに来る学生アルバイトには男も女もいたが、
『お腹いっぱいですから』と厚切りポークカツを辞退した子は、
ついに一人もいなかった。
ぶらぶら歩いて帰宅する。原稿を渡してから一時間半ほどして、
編集部から『届きました』と電話がある。責任は私の手を離れた。
書斎の床いっぱいに散らばった切り抜きを片付ける。
毎月、同じように責任を果たしてきた。」
もう少し引用させてください(笑)。
ちなみに、これが書かれたのは平成21年8月です。
「鳩山演説を聞いて・・・友愛の次は正義か!
私はほとんど卒倒しかけた。これを書かずに何を書くか。
思わず立ち上がってバンザイを叫びかけたが、
その瞬間、我に返った。私の右腕には点滴の針が差され、
チューブの下には尿瓶がぶら下がっていた。
三月(2009年)に入院する直前、
『諸君!』の編集長から『六月号で休刊になります』と、
雑誌の終焉を聞かされていた。おまけに私の視力は
近頃とみに悪化し、大きいルーペを使っても
もはや新聞の切り抜きは読めなくなった。・・・」
こうして、書いた方が、2018年の現在「新潮45」に巻頭随筆を連載。
こちらは、たかだか1頁なのですが、ぜひとも、立ち読みでいいので、
「新潮45」9月号の徳岡孝夫の巻頭随筆を読んでみて頂きたい。
はい。それを読んでもらいたいがために引用を重ねました(笑)。
そこにあったのは、
1ページの巻頭随筆で、学べる「ジャーナリズムとは何か」。
どうぞ、本屋へ行く機会がありましたら、ご覧ください。