和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

血となり肉となる四十年の恋人。

2018-08-26 | 古典
8月22日の産経新聞一面。
縦見出し「金足農 郷愁呼んだ昭和野球」。
横見出し「大阪桐蔭、2度目春夏連覇史上初」。
あれっと嬉しかったのは、
「金足」に「かなあし」と振り仮名がある。

それはそうと、その日の文化欄に
松岡正剛さん「千夜千冊エディション」と
松岡氏の写真入りである。
なにかとおもえば、

「読書通の間では有名な書籍案内ウェブサイト
『千夜千冊』を運営する編集者の松岡正剛さん(74)が、
同サイトを書籍として再構成した『千夜千冊エディション』
シリーズを角川ソフィア文庫から刊行した。・・」
(麿井真吾)

そこに

「読書行為そのものをテーマにした
第1巻『本から本へ』の冒頭には、
道元『正法眼蔵』・・・」

はい。さっそく注文しました。
なぜ、『本から本へ』のはじまりに
正法眼蔵を持ってきたのか?
ということに興味がある(笑)。

最近のことで思い浮かぶのは、長谷川三千子さん。
長谷川さんの本は未読積読本ばかりなのですが、
たとえば、
「神やぶれたまはず 昭和20年8月15日正午」
「正義の喪失」「民主主義とは何なのか」
「日本語の哲学へ」・・・
以上私は読まない癖して、とりあえず
最後の参考文献一覧を見ると、
そこに「正法眼蔵」という本はでてこない。


ところが、雑誌の特集(「諸君!」2007年10月号)
永久保存版「私の血となり、肉となった、この三冊」で
長谷川三千子さんは
「・・すぐに頭に浮かんだのは、道元の『正法眼蔵』である」
として一冊だけを丁寧に紹介しておられたのでした。
そのなかに「『正法眼蔵』を、この四十年間、
私はただもっぱらに読んできた。」とあったのでした。


ふ~ん。著書の参考文献には載らないのに、
「この四十年間、私はただもっぱらに読んできた」
という本とは、いったい、どう考えればよいのか。
文字通り「私の血となり、肉となった」一冊と
思えばよいのだろうか?

まあ、そんな興味から
松岡正剛著「本から本へ」(角川文庫)を注文。
その第1章「世界読書の快楽」のはじまりが
「正法眼蔵」からなのでした。
まず1ページ目に

「しかし困ることがある。道元を読みはじめたら
類書や欧米の思想書を読む気がしなくなることだ。
それほどに、いつも汲めども尽きぬ含蓄と直観が
押し寄せてくる。湧いてくる。飛んでくる。
深いというよりも、言葉が多層多岐に重畳していて、
ちょっとした見方で撥ねかたが異なってくる。・・・」

ここにも、「四十年」という言葉がでてきました。

「ある版元から『道元を書きませんか』とも言われている。
正直いって、とうてい書けそうもない。
なにしろ四十年にわたる密会の恋人なのだ。
思い返すと、最初に道元を読んだのは学生時代のこと
・・・・・
道元を読むと、そこに浸りたくなる。
その峡谷から外に出たくなくなっていく。・・」


何いってるのだか(笑)。
ともかくも、長谷川三千子も松岡正剛も『四十年』
ということは分りました(笑)。
キャッチコピーは松岡正剛氏の
『四十年にわたる密会の恋人』。
『密会の恋人・正法眼蔵』という読書がある。

はは~ん。密会の恋人を、わざわざ
自著の参考文献に出すことはありませんよね(笑)。


コメント (4)
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朝日新聞は諦めていません。

2018-08-26 | 朝日新聞
Hanada10月号の
K・ギルバート。山岡鉄秀。櫻井よしこ。
この3人の鼎談を引用することに。
題して
「反省なき朝日新聞 今も英文では『慰安婦強制』と」。

はじまりは櫻井さんでした。

「朝日新聞は四年前の2014年8月、吉田清治氏に関する報道を
『虚偽であった』とし、取り消しました。四ページも紙面を割いて
検証していましたが、一方で朝日の本質はいまも全く変わっていません。
朝日新聞は英語報道で、あたかも慰安婦は『性行為を強制された』、
性奴隷であるかのような印象を抱かせる表現を使う報道を、
いまも続けています。」

はい。鼎談の3人の写真が載っています。

真ん中はカットして、最後の方をすこし引用
ケント・ギルバートさんの指摘です。

「たとえばジャパンタイムズは、オーナーが代わったことで
慰安婦報道にも変化が出ました。
ジャパンタイムズは、2016年の時点では
『第二次世界大戦前、および大戦中に日本の軍隊に
強制的に性行為を行わされた女性たちのことを
【性奴隷】と表現するのが妥当だというのが
ジャパンタイムズの方針である』と明言していました。

これに対しては、心ある日本の方々が抗議を申し入れる
などしていましたが、全く改まらなかった。ところが、
昨年六月下旬頃に売却されてオーナーが代わってからは、
自虐的な記事が極端に減り、慰安婦についての報道も
ほとんどなくなりました。だからいまは、
誤った英語報道の発信源は朝日新聞の英字報道だと見ていいでしょう。」
(p302)

つづいて山岡氏は、語ります。

「たとえばロイターが書いた慰安婦記事を、
朝日が配信する際、そのロイターの記事には
朝日とほぼ同じ表現が出てくる。
つまり、朝日が【forced to provide sex】
という表現を使い続ければ、それを読んで
慰安婦に関する記事を英語で書く別の媒体の記者も、
同じ表現を定型文のように使ってしまう。
だからこそ、元を絶たなければならないのです。

もはや国内の議論では、2014年に決着がついた。
しかし、朝日新聞は諦めていません。
・・・」
(p303)
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