和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

月報の魅力。

2019-05-14 | 本棚並べ
梅棹忠夫著作集第17巻の月報。
昨日寝床で、この月報を開く。
全8頁。寝る前には丁度いい。


この巻の月報の顔ぶれは、
杉本秀太郎。
寿岳章子。
堀場雅夫。
吉村元男。
この四人の文です。
どれもが印象深い。

そういえば、と本棚から
司馬遼太郎と桑原武夫の本を取り出す。

桑原武夫対談集「人間史観」
桑原武夫対談集「日本語考」
「桑原武夫伝習録」梅棹忠夫・司馬遼太郎編

はい。三冊とも潮出版社から出ております。
「人間史観」の最初に、多田道太郎氏の
「桑原先生の座談」という文があります。
そこにも、杉本秀太郎氏が登場してます。
そこを引用。

「もっとも、先生は俗に言う『お喋り』である。・・
桑原先生の対極にいるのは、私の友人では・・・
杉本秀太郎氏である。たとえば電話してきて、
『杉本ですが』とくる。
『あ、こんにちわ』とこたえる。
するとあとは長い沈黙である。
むこうから電話してきて、長い長い沈黙はないだろう、
と思うが、電話口の向こうでは、次の言葉が自然と
唇にうかぶのを悠然と待っている杉本氏がいるのである。」
(p4)

はい。この杉本秀太郎氏が梅棹忠夫をとりあげて魅力
の月報なのですが、引用しずらいので、ここは沈黙します。

さてっと、多田道太郎氏の指摘する桑原先生はといと、

「ことばは言うまでもなく、
ひろい意味での関西弁である。
だが、他郷の人には容易に、かつ、
その余韻をとらえることはできまい。・・」(p5)

寿岳章子氏の月報には、こうあります。

「とにかく、桑原(武夫)、梅棹(忠夫)二氏の
談論風発ぶりはすごかった。
それも後に記すように全くの京ことばのおしゃべり」
(p3)

寿岳さんの月報はつづきます。

「その座談会・・・
今西錦司・梅棹忠夫・伊谷純一郎・上山春平という面々・・
今西・梅棹二氏は全くの京ことば、
伊谷・上山二氏は共通語という二パタンで
その座談会は形成されていて、
その京ことばの自在さに私は圧倒された。」

うん。ここから、司馬遼太郎と桑原武夫の
対談へともっていきたいのですが、今日はここまで。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする