梅棹忠夫著「日本探検」(講談社学術文庫)。
そこに
「中央公論社刊『日本探検』のためのあとがき」
がありました。3頁の文です。そこから引用。
「・・わたしは、いままでどちらかというと、
国外での未開民族の人類学的探検こそは、
じぶんのなすべき仕事であるとおもいさだめてきた。
しかし、なんどかの学術探検隊にくわわって各地を旅するうちに、
問題は、未開地・未開民族にかぎらないことに気がついた。
よくしられているはずの民族や社会にも、あたらしい見方
にたって、かんがえなおすべきことがたくさんある。
わたしは、じぶんの意識を比較文明論というところにまで
拡大し、すべてを人類史のおおきなながれのなかにおいて
理解できるようになりたいとのぞむようになった。
1958年、東南アジアからかえってから、
しばらく日本にいるあいだに、まず手はじめに、
じぶんの国をみなおしてみようとかんがえた。
・・・・・・・・
とりあげた主題は、一見それぞれまるでばらばらである。
しかし、わたしとしては一貫して、現代日本の文明史的
課題を追求しつづけているつもりである。
説きつくされた日本の歴史も、比較文明論の立場からみれば、
またいくらかはあたらしい見かたもでてくるであろう。
未来のことをいうならば、人類史の未来に
日本文明はなにかを寄与しうるか、あるいはまた、
日本文明におけるあたらしい可能性はなにか、
というのがわたしのほんとうの主題である。・・・」
(p324~325)
さてっと(笑)。
季刊民族学という雑誌。気になったので、
その100号(2002年春)をひらくことに。
そこの特集対談は
石毛直道と梅棹忠夫でした。
そこからの引用。
事務局】 この『季刊民族学』というのは『友の会』の
機関誌ですが、これを最初に家庭学術雑誌と名づけた点を、
いま一度ご解説いただきたいのですが。
梅棹】 これは民族学の普及が目的ですね。
専門家だけのものとか、大学の講座だけではなくて、
国民大衆に民族学の知識をできるだけひろく理解してもらおう
というので、家庭学術雑誌という名前を考えたわけです。
石毛】 家庭で理解するということが、これからますます
重要になってくると思います。というのは、わたしにいわせれたら、
あと2、30年もたったら、日本も多民族国家化しているだろうと。
そうすると、隣りの家に外国出身の人が住んでいるというのが
当たり前になる。これは好むと好まざるとにかかわらず、
そうなってくるわけです。
それで、残念ながら、われわれの社会というのは、
外国出身の人を隣人として生きていく、
そういった経験がほんとうにすくないんですよね。
いろんな問題がこれからでてくる。
その時、『季刊民族学』などを通じて、
民族学的なものの見方だとか、
そういったものを知ってもらってたら、
たいへん意味があることになるだろうと思います。
(p22)
対談の最後の方の梅棹さんの言葉も引用。
梅棹】 昨年(2001年)9月11日におこった
アメリカ同時多発テロ以来の一連の問題についての
動きを新聞記事でみていても、民族学の知識があったら
どんなによくわかるかということは、皆さん、
感じているんじゃないですか。そういう点で、
世界が民族学的知識を要求するようになっている
んだと思うんです。
アフガニスタンの問題については、わたしは、
あの国に半年間ほどいたので、手に取るように動きがわかる。
一般にはあの国の民族事情が知られていませんから、
ひじょうにわかりにくいんじゃないかと思うんです。
不安定な国情のところでは、
民族学の現地調査をすることはほとんど不可能ですが、
こんなことも『季刊民族学』で解説してあげたいですな。
今日の世界情勢は、民族学の知識なくしては
ほとんどわからないんです。そういう点で
いま民族学が要求されてる時代だと思いますね。
(p24~25)
この雑誌のあとの方をひらいていたら、振込用紙があって
そこには
「『季刊民族学』をご購読いただくには
『国立民族学博物館友の会』へご入会ください」
とありました。
なになに、年会費が13000円。
会員特典(一年間)として
『季刊民族学』(4冊)
『月刊みんぱく』(12冊)
『友の会ニュース』(6回)が送られ、
そのほか、催しもののご案内などの特典。
うんうん。一年間で13000円ですか。
さて、ここからが本題(笑)。
日本の古本屋でネット検索していたら、
「季刊民族学 セット 1~114号 (114冊)」
これが10000円で出ている。
送料が2268円。合計で12268円。
友の会の年会費でおつりがくる。
計算すれば、季刊雑誌一冊が約108円。
はい。注文しました。
真理書房(名古屋市緑区鳴子町)。
それが昨日雨の中、とどきました。
クロネコヤマト便で6箱にわけて届きました。
本棚に並べて、まずは、100号を開いてみた。
そうそう。100号の対談の中には、
こうもありました。
事務局】 いま、『友の会』の会員の分布をみますと、
一位が大阪府、二位が東京都で三位が兵庫県です。それから
四位に京都府、五位が神奈川県、六位が愛知県なんです。
近畿圏、首都圏などで半数を超えます・・・・(p23)
はい。六位の愛知県から114冊の
きれいな雑誌がとどきました。
そこに
「中央公論社刊『日本探検』のためのあとがき」
がありました。3頁の文です。そこから引用。
「・・わたしは、いままでどちらかというと、
国外での未開民族の人類学的探検こそは、
じぶんのなすべき仕事であるとおもいさだめてきた。
しかし、なんどかの学術探検隊にくわわって各地を旅するうちに、
問題は、未開地・未開民族にかぎらないことに気がついた。
よくしられているはずの民族や社会にも、あたらしい見方
にたって、かんがえなおすべきことがたくさんある。
わたしは、じぶんの意識を比較文明論というところにまで
拡大し、すべてを人類史のおおきなながれのなかにおいて
理解できるようになりたいとのぞむようになった。
1958年、東南アジアからかえってから、
しばらく日本にいるあいだに、まず手はじめに、
じぶんの国をみなおしてみようとかんがえた。
・・・・・・・・
とりあげた主題は、一見それぞれまるでばらばらである。
しかし、わたしとしては一貫して、現代日本の文明史的
課題を追求しつづけているつもりである。
説きつくされた日本の歴史も、比較文明論の立場からみれば、
またいくらかはあたらしい見かたもでてくるであろう。
未来のことをいうならば、人類史の未来に
日本文明はなにかを寄与しうるか、あるいはまた、
日本文明におけるあたらしい可能性はなにか、
というのがわたしのほんとうの主題である。・・・」
(p324~325)
さてっと(笑)。
季刊民族学という雑誌。気になったので、
その100号(2002年春)をひらくことに。
そこの特集対談は
石毛直道と梅棹忠夫でした。
そこからの引用。
事務局】 この『季刊民族学』というのは『友の会』の
機関誌ですが、これを最初に家庭学術雑誌と名づけた点を、
いま一度ご解説いただきたいのですが。
梅棹】 これは民族学の普及が目的ですね。
専門家だけのものとか、大学の講座だけではなくて、
国民大衆に民族学の知識をできるだけひろく理解してもらおう
というので、家庭学術雑誌という名前を考えたわけです。
石毛】 家庭で理解するということが、これからますます
重要になってくると思います。というのは、わたしにいわせれたら、
あと2、30年もたったら、日本も多民族国家化しているだろうと。
そうすると、隣りの家に外国出身の人が住んでいるというのが
当たり前になる。これは好むと好まざるとにかかわらず、
そうなってくるわけです。
それで、残念ながら、われわれの社会というのは、
外国出身の人を隣人として生きていく、
そういった経験がほんとうにすくないんですよね。
いろんな問題がこれからでてくる。
その時、『季刊民族学』などを通じて、
民族学的なものの見方だとか、
そういったものを知ってもらってたら、
たいへん意味があることになるだろうと思います。
(p22)
対談の最後の方の梅棹さんの言葉も引用。
梅棹】 昨年(2001年)9月11日におこった
アメリカ同時多発テロ以来の一連の問題についての
動きを新聞記事でみていても、民族学の知識があったら
どんなによくわかるかということは、皆さん、
感じているんじゃないですか。そういう点で、
世界が民族学的知識を要求するようになっている
んだと思うんです。
アフガニスタンの問題については、わたしは、
あの国に半年間ほどいたので、手に取るように動きがわかる。
一般にはあの国の民族事情が知られていませんから、
ひじょうにわかりにくいんじゃないかと思うんです。
不安定な国情のところでは、
民族学の現地調査をすることはほとんど不可能ですが、
こんなことも『季刊民族学』で解説してあげたいですな。
今日の世界情勢は、民族学の知識なくしては
ほとんどわからないんです。そういう点で
いま民族学が要求されてる時代だと思いますね。
(p24~25)
この雑誌のあとの方をひらいていたら、振込用紙があって
そこには
「『季刊民族学』をご購読いただくには
『国立民族学博物館友の会』へご入会ください」
とありました。
なになに、年会費が13000円。
会員特典(一年間)として
『季刊民族学』(4冊)
『月刊みんぱく』(12冊)
『友の会ニュース』(6回)が送られ、
そのほか、催しもののご案内などの特典。
うんうん。一年間で13000円ですか。
さて、ここからが本題(笑)。
日本の古本屋でネット検索していたら、
「季刊民族学 セット 1~114号 (114冊)」
これが10000円で出ている。
送料が2268円。合計で12268円。
友の会の年会費でおつりがくる。
計算すれば、季刊雑誌一冊が約108円。
はい。注文しました。
真理書房(名古屋市緑区鳴子町)。
それが昨日雨の中、とどきました。
クロネコヤマト便で6箱にわけて届きました。
本棚に並べて、まずは、100号を開いてみた。
そうそう。100号の対談の中には、
こうもありました。
事務局】 いま、『友の会』の会員の分布をみますと、
一位が大阪府、二位が東京都で三位が兵庫県です。それから
四位に京都府、五位が神奈川県、六位が愛知県なんです。
近畿圏、首都圏などで半数を超えます・・・・(p23)
はい。六位の愛知県から114冊の
きれいな雑誌がとどきました。