和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

えたもの。

2019-08-09 | 本棚並べ
梅棹忠夫著作集の第22巻は「研究と経営」。
はい。第一巻から順に読むのは御免なので、
それではと、最終巻(笑)。

そこに、「人文でえたもの」という文がある。
その中に、「研究会」と題する1頁ほどの文。
はい。楽しそうなのではじめとおわりを引用。

「研究会は原則として毎週ひらかれた。
だれかひとりがひとつのテーマで発表をおこない、
それについて活発な討論がおこなわれた。
この種の研究会においては、だれもがなんの遠慮もなしに
意見をのべることができるようでなければならない。
 ・・・・・・・
この種の研究会の雰囲気は、そのリーダーの
パーソナリティーに負うところがはなはだおおきい。
桑原研究班は桑原武夫教授のひとがらをおおきく反映していたし、
今西研究班は今西錦司教授の
個性的な指導力に負うところがおおきかった。
わたしは人文科学研究所の研究班において、このふたりの
強烈なリーダーシップからまなぶところがおおかった。
わたしが自分自身の研究班を主宰するようになってからは、
わたしなりに全力をつくしたが、独特の気風をつくりだせたか
どうかはわからない。それはむしろ
コア・メンバーの構成からいっても、
今西研究班の遺産の継承であった面がおおきい。
ともあれ、研究会を主宰することによって、
わたしは学問的にもおおきな収穫をえたとともに、
このそれぞれに個性的な研究者たちと、長年月にわたって
持続的な知的会合をもつことができたことを
たいへんありがたくおもっている。
この研究会はわたしにとってほんとうにたのしいものであった。」

はい。この「人文でえたもの」の【注】で紹介された本に
藤本ますみ著「知的生産者たちの現場」がありました。
さらに【注】には
斎藤清明著「京大人文研」と、
「人文科学研究所五十年」の2冊も紹介されている。
はい。わたしは、藤本ますみさんの本に味をしめたので、
こちらも古本で注文することに(笑)。

いままで、梅棹忠夫氏の【注】での、
本の紹介にハズレがないので、たのしみ。
もっとも、ハズレがなくても、購入して、
読まなければ、何にもならないのでした。
ネットの古書購入が、安く簡単なことが、
かえすがえすも、ありがたいことです(笑)。

コメント
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