今日は日差しが眩しく、風はなく、よい天気。
古本で、高浜虚子著「贈答句集」(菁柿堂・昭和21年)届く。
さっそく、序のはじまりを引用。
「 贈答句といふのは手紙の端などに書いて
人に贈った句が多いのであるから、
その場限りの句として
書きとめて置くことが少い。
また書きとめて置いてもそれほどの
価値のない句も少なくない。
この集にあつめたものは、たまたま
何等かの機会に記憶にとどまってゐた句とか・・・
あとからわざわざ知らしてもらって、
そういふ句があったのかと気づいて
書きとめたものなどである。
贈答の句、慶弔の句の如きものは
他の意の加はったものであるから
純粋の俳句といふことは出来ないかも知れない。
然し、それでゐて平凡な句であってはならない。
他の意味も十分に運び而も、俳句としてみても
なほ存立の価値があるといふやうなものでなくてはならぬ。
そこが普通の俳句よりもむづかしいと
言へば言へぬこともないのである。・・・・・・・・・
昭和21年4月29日 高山虚子 」
はい。1ページに1句。
余白が涼しく好都合。
ちょこっと3句引用。
明治29年 人に寄す ( p32 )
衣替へて八字の眉も可愛ゆらし
明治31年6月8日 暫く音信を絶ちたる東西俳人を思ふ ( p67 )
霽月といひ漱石といひ風薫る
明治33年5月26日 山口花笠来訪 ( p80 )
あつき日にやけてげんきな男かな
追記:
古本は、居ながらにしてネット注文できるので、
あとは、どんな古本を注文するかと、迷うだけ。
そして、かんじんな、値段との相談になります。
今回は、気になった高浜虚子著「贈答句集」
これは、丸谷才一大岡信対談「唱和と即興」
で触れられていたのでした。
日本の古本屋にて検索すると、
810円+送料370円=1180円。
北海道函館市駒場町浪月堂書店。
『古書浪月堂(ロウゲツドウ)』
1ページ1句で、全280ページ。
戦後1年目の本で、それなりに汚いのですが、
当時の装丁ではしっかりした感じを受けます。
うん。私に読めてよかった一冊となりました。