鷲尾賢也著「編集とはどのような仕事なのか」
(トランスビュー)に清水幾太郎氏の名前が
2箇所に登場します。そこから1箇所を引用。
「岩波書店にも、中央公論社にも、文芸春秋社
にも断られたという大型企画が、ある人を通じて
とび込んできた。『清水幾太郎著作集』である。
・ ・・晩年の保守化で清水さんは評判がよくな
かったが、戦後史には欠かすことのできない大物
である。販売的にはメリットはそれほどないが、
著作集刊行の意味はとても大きい。それまで刊行
されなかった方がおかしい。会社をなんとか説き
伏せて、企画を通してもらった。
さて、それからが大変である。戦前戦後あわせて、
清水さんの単行本は400冊をこえるという。
それらを含め、雑誌まですべてコピーした。
それから何を収録するかの選択である。
卒論から遺著まで、ひととおり眼を通した。
厳密なことでは類を見ないお嬢さんの
清水禮子さんとのやりとり。ともかく
全18巻・別巻1の全体構成を終え、
一部入稿したところで異動になった。
残念ながら完成までタッチできなかったが、
自分にとっては記憶に残る大仕事であった。」
うん。
「著作集刊行の意味はとても大きい」とある。
その著作集を古本で購入して、1~2冊読んで、
本棚にしまいこんだまま。
そんなこんなで、古本はありがたい(笑)。
ということで、鷲尾さんのこの本を
めくっていると、こんな箇所もあります。
「書店だけでなく読者の読む力が
弱くなっている。『良書でござい』と
あぐらをかいていてすむ時代ではない。
どうにかしてともかく買ってもらう。
そうすればその中の何割かは読むだろう。」
(p173・2004年版)
うん。私の「読む力」は数パーセントで
ヒトケタどまり(笑)。
もどって、
清水幾太郎氏の本は、
私に、新書や文庫が親しい。
鷲尾氏の本にでてくる清水幾太郎は、
もう一箇所あります。そこを引用。
「週刊誌から現代新書に異動になって
はじめて手がけたのは、大河内一男さん
の原稿で『幸徳秋水と片山潜』であった。
・・・元東大総長である大河内一男さんの
原稿はどこかテニヲハがあやしい。
はじめはおそるおそる、直してもいいですか
といっていたが、あとは脱兎のごとく
リライトしてしまった。大家でも、
文章のうまくない先生はいるということを
はじめて知った。そういう点で清水幾太郎
さんの文章は見事だった。『本はどう読むか』
(講談社現代新書)というロングセラーが
あるが、ジャーナリスト出身らしく、
読者をとても上手に誘ってくれる。
読んでおもしろく、役に立つ一冊だ。」
はい。
清水幾太郎の新書・文庫の「文章は見事」。
ということは、納得です。
テニヲハは、大家も素人も、
同じスタートラインというのは、
うれしい指摘。
(トランスビュー)に清水幾太郎氏の名前が
2箇所に登場します。そこから1箇所を引用。
「岩波書店にも、中央公論社にも、文芸春秋社
にも断られたという大型企画が、ある人を通じて
とび込んできた。『清水幾太郎著作集』である。
・ ・・晩年の保守化で清水さんは評判がよくな
かったが、戦後史には欠かすことのできない大物
である。販売的にはメリットはそれほどないが、
著作集刊行の意味はとても大きい。それまで刊行
されなかった方がおかしい。会社をなんとか説き
伏せて、企画を通してもらった。
さて、それからが大変である。戦前戦後あわせて、
清水さんの単行本は400冊をこえるという。
それらを含め、雑誌まですべてコピーした。
それから何を収録するかの選択である。
卒論から遺著まで、ひととおり眼を通した。
厳密なことでは類を見ないお嬢さんの
清水禮子さんとのやりとり。ともかく
全18巻・別巻1の全体構成を終え、
一部入稿したところで異動になった。
残念ながら完成までタッチできなかったが、
自分にとっては記憶に残る大仕事であった。」
うん。
「著作集刊行の意味はとても大きい」とある。
その著作集を古本で購入して、1~2冊読んで、
本棚にしまいこんだまま。
そんなこんなで、古本はありがたい(笑)。
ということで、鷲尾さんのこの本を
めくっていると、こんな箇所もあります。
「書店だけでなく読者の読む力が
弱くなっている。『良書でござい』と
あぐらをかいていてすむ時代ではない。
どうにかしてともかく買ってもらう。
そうすればその中の何割かは読むだろう。」
(p173・2004年版)
うん。私の「読む力」は数パーセントで
ヒトケタどまり(笑)。
もどって、
清水幾太郎氏の本は、
私に、新書や文庫が親しい。
鷲尾氏の本にでてくる清水幾太郎は、
もう一箇所あります。そこを引用。
「週刊誌から現代新書に異動になって
はじめて手がけたのは、大河内一男さん
の原稿で『幸徳秋水と片山潜』であった。
・・・元東大総長である大河内一男さんの
原稿はどこかテニヲハがあやしい。
はじめはおそるおそる、直してもいいですか
といっていたが、あとは脱兎のごとく
リライトしてしまった。大家でも、
文章のうまくない先生はいるということを
はじめて知った。そういう点で清水幾太郎
さんの文章は見事だった。『本はどう読むか』
(講談社現代新書)というロングセラーが
あるが、ジャーナリスト出身らしく、
読者をとても上手に誘ってくれる。
読んでおもしろく、役に立つ一冊だ。」
はい。
清水幾太郎の新書・文庫の「文章は見事」。
ということは、納得です。
テニヲハは、大家も素人も、
同じスタートラインというのは、
うれしい指摘。