和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

句読点濁点なし。

2014-12-20 | 手紙
外山滋比古著「国語は好きですか」
(大修館書店・2014年)に

「毛筆で書かれる手紙に句読点を
つけるのは不作法である。失礼になる。」
(p95)

とあります。
さてっと、同じ大修館書店から
「漢字文化を考える」(1991年)が
出ておりました。第一部のはじまりは
「漢字とかな」と題する山本七平氏の
講演でした。そこを引用。

「幕末でも仮名ばかりの手紙というのは
今でも残っております。特に女性に宛てた
手紙は仮名にするのが当たり前だったらしくて、
これがよく女手と言われる理由ですが、決して
女性だけが仮名を使って男性が漢文を使っていた
わけではないのです。その証拠に、信長も秀吉も
全部仮名だけです。・・・
幕末、明治になるすれすれの手紙ですと、パリに
いる渋沢栄一が千代夫人に送った手紙が今残って
おりますけれども、こういうのも全部仮名であり
ます。信長と同じように句読点濁点なしですから、
今になると相当読みづらい。
しかし、普通の手紙ですとだんだん漢字交りに
なってまいります。」(p32~33)

そして、こんな箇所も

「『候』がある場合はそこが句読点みたいな形です」
(p30)
うん。この講演がプクプクと思い浮かびました(笑)。
コメント
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