和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

手紙と備忘録。

2014-12-27 | 前書・後書。
「漢字文化を考える」(大修館書店)の
山本七平氏の講演「漢字とかな」を読んだら、
戦国時代の手紙を読んでみたくなる。
どの本を買ったらよいのかわからず。
とりあえず、安そうな古本を買うことに。

デラシネ書房(熊本県八代市上片町)

岡本良一著「戦国武将25人の手紙」(朝日新聞社)
500円+送料350円=850円
函入りでした。

漢字文が多いのですが、
上杉謙信のなど、まったくと
いっていいほど仮名です。
それでも、くずし字なので、
私に読めないことは同じ(笑)。
活字になった本文と
読み・口釈とを見るのみ。

くずし字だと、漢字も仮名も
私にはどちらもどちら、という感じ。

そうそうに最後をひらくと、
「あとがきにかえて」は
「手紙のおもしろさ」と題しております。
そのはじめのほうに

「・・歴史学では、手紙をもっとも
信頼のできる第一級の史料として
尊重するのである。事実、手紙に
接していると、何百年も前の人物が
髣髴とし、その人物とじかに話し合って
いるような興奮や喜びを覚えることが
しばしばある。・・」

うん。これらも、「読み・口釈」が
あって納得するわけです(笑)。

今日届いた
ブックマン社「家族よ、ボケと闘うな!」
の「あとがき」は近藤誠氏でした。
「父の備忘録に隠されていたもの」と題しております。

そこから、すこし引用。

「平成10年の最初の備忘録は、わずか見開き
1ページで終わります。『前のことがわからない。
やっぱり日記も必要なようだ』という言葉を最後に。
そして、平成12年4月から備忘録は再開されます。
なぜなら、自治会長を2年務めた後、神社総代を
引き受けてしまったからです。この時、
私も母も能天気な父にあきれてしまったのですが、
実は、苛酷な闘いであることを覚悟して挑んで
いたのです。・・・
認知症の症状が緩やかに進み、母が父を叱責する
回数が多くなりましたが、よかった(?)ことは、
最期まで、父は母にこき使われていたことです。
私が『満足死』を語るとき、『指先一本まで使い
きり、生ききることが大切』と話せるのも、
こんなふたりを見ていたからだと思うのです。
父は、母の役に立ち、地域の役に立つことで、
父らしく生ききったと思います。家族は、
本人が認知症だとわかった時、認知症に闘いを
挑み始めます。しかし、おそらく、本人は
もっと前から闘っているのです。父の備忘録は、
私にそれを教えてくれました。・・・」

この数ページまえには市販のノートブックに
ボールペンで書き記した備忘録の写真が4頁ほど
載せてあります。

一方は、戦国武将の手紙。
他方は、ボケと闘う備忘録。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする