山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

編笠山・権現岳の花散策(後編) 令和3年8月7日

2021年08月13日 | 高山に咲く花
 6時ごろに八ケ岳観音平を出発し、花散策しながら編笠山を越えて青年小屋に到着したのは11時になった。空模様が怪しくなってきて、これから向かう権現岳は完全に雲の中に入ってしまい姿が見えなくなってしまった。途中で雨に降られるかもしれないが、行けるところまで行ってみることにする。


    途中の林の中にもミヤマフタバランが生えていた。


    チシマギキョウはもう終盤だった。


    会いたかったリンネソウは満開。


    山梨県ではあまり見ることが無いリンネソウ。この場所は比較的多く群生している。


    タカネナデシコ


    シコタンハコベは数ヶ所に分かれて生育している。


    シコタンハコベ。一斉に花は咲かず、数個ずつ咲いて行く。


    きっとあると思っていたリシリカニツリが現れた。


    茎には軟毛が密生している。


    想定していた以上にたくさん生育していたリシリカニツリ


    花が開くとこのようになるようだ。


    イワスゲ。これは普通に見かける。北岳にもたくさん生育している。


    見たことが無いスゲに出会う。これはすげ~スゲかと思ったのだが・・・。


    八ヶ岳では比較的多く見かけるミヤマアシボソスゲというスゲだった。鱗片の芒(のぎ)が長いのが特徴である。


    もう枯れかけているがこれはあまり見かけないスゲ。


    探していたヒゲハリスゲでおそらく間違いないと思う。


    咲き残りのムシトリスミレ


    タイツリオウギと思われる。


    タカネヒゴタイ 下に見える編笠山は雲の中。


    権現岳砂礫地のお花畑


    コマクサが咲いていた。


    途中で小雨が降ったがすぐに止んだ。なんとか権現小屋に到着した。

 権現岳砂礫地のお花畑が素晴らしく、初めて出会うミヤマアシボソスゲやほとんど見たことが無いヒゲハリスゲ、リシリカニツリ、さらにこの場所では初めて見かけるムシトリスミレなど様々な植物との出会いがあり、すっかり時間を費やしてしまい権現岳小屋に到着したのは午後2時になってしまった。真っ白な霧におおわれて景色は見えないが天候はなんとか持ちそうである。少々時間がかかるが、三ツ頭、木戸口公園を経由して周回ルートを下山することにした。


    ミヤマウシノケグサ。普通に生えている。


    ヒメシャジンとミヤマウシノケグサ。以前に撮影した画像でヒゲハリスゲだと思っていたのはミヤマウシノケグサだったようだ。


    オニクはもう枯れかけていた。


    ムシトリスミレは結実しかけていた。


    満開だったタカネシュロソウ


    三ツ頭山頂


    草地の中に生えていたヤマサギソウ


    今年は見られないかと思っていたミヤマモジズリを花仲間が発見してくれた。

 下山の行程は長く、その大半が笹薮で目ぼしい花は見当たらず。ひたすら歩くといった感じだった。観音平に到着したのは薄暗くなりかけた6時過ぎだった。天候が持ってくれたのが何よりの幸いだった。久しぶりに歩く長い行程で、当然の如く翌日は足が痛くなったが、それにも増して今回の花散策は新しい発見が多々あり、とても有意義な山行となった。

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編笠山・権現岳の花散策(前編)  令和3年8月7日

2021年08月13日 | 山に咲く花
 1泊2日で訪問するはずだった八ヶ岳の編笠山・権現岳であるが、日程がうまくとれないうえに天候が不安定で1泊2日の行程は取れそうに無く、観音平から入山して天候の許す限りの範囲で権現岳を目指すことにした。この場所はこの季節に何度か訪問しているが、青年小屋から権現岳に至るザレ場のお花畑が素晴らしい。シコタンハコベやタカネナデシコなどのほかにまだ調べていないカヤツリグサ科やイネ科の植物が生えているはずである。花仲間を誘って2人で歩いてみる。


    雲海展望台から見る朝の雲海。雲の中に富士山が隠れている。


    ヒトツバイチヤクソウ


    エゾスズランは笹の中に隠れるようにポツポツと咲いている。いつも見ているミヤマモジズリは見かけなかった。


    キソチドリ。これが姿を現すとフタバランの仲間もあるはずだ。


    会うのを楽しみのしていたミヤマフタバラン。今年は少なかった。


    編笠山の直下にあるハシゴ。急登で結構厳しい。


    普通に見かけるがずっと同定せずにいるこの植物。イグサの仲間であろうが、図鑑を見ても良く分からず。ヤマスズメノヒエではないかと思う。


    急登を登り終えて編笠山の草地に到着。探し物のマツムシソウを探すが見つからなかった。


    編笠山山頂


    標高2400mだが、これは普通のヘビノネゴザ。ミヤマヘビノネゴザは北岳に登らないと見られなそうである。


    石の間に生えていたミヤマアカバナ


    山頂で小休止して青年小屋に下りる。葉は良く確認しなかったが、たぶんシナノオトギリ。


    ヒカゲノカズラのようだが何となく葉の感じが違う。


    いつも見るヒカゲノカズラに比べて枝分かれが多く、茎に葉が密生している。これはミヤマヒカゲノカズラではないかと思う。


    そしてもうひとつ、初めて出会うシダが群生していた。


    スギカズラ。山梨県には無いかと思っていたが八ケ岳では比較的見かけるらしく、金峰山にもあるらしい。


    少しばかり感動したスギカズラとの出会い。


    青年小屋の前に生えていたヤツタカネアザミ


    ミノボロスゲの群生


    ミノボロスゲは亜高山帯から高山帯のキャンプ地となるような草地に普通に生えるようだ。


    こちらはヒメスゲの群生


    ヤマブキショウマ


    これはセリ科のミヤマゼンコと思われる。


    では中腹で見たこれは何だろう?葉の形からはハクサンボウフウがいちばん近そうに見える。

 花探索しながら登って来たので青年小屋まで5時間ほどかかり、時刻は11時になった。昼食をとっているとこれから行こうとする権現岳には黒っぽい雲がかかってきた。天気予報では午後2時ごろから雨の予報である。花散策が面白いのはこれから先であるが、もし天候が崩れるようならば引き返すことにして、行けるところまで行くことにする。(後編に続く)


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