山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

乙女高原のヤエガワカンバ  令和4年6月1日

2022年06月04日 | 山に咲く花
 みみ石から下山してきたのは午後4時を過ぎていた。しかし日が長くなったのでもう少し植物観察は可能である。ここから乙女高原までは1時間はかからないはずである。そろそろ見たいと思っているヤエガワカンバの大木が新緑の葉を付けている頃であろうし、湿地に生えるスゲも見ごろを迎えているであろう。乙女高原に移動する。


    移動途中の林道脇岩壁に黄色い花がたくさんぶら下がっていた。


    キバナウツギ。先日三ツ峠に見に行ってきたばかりである。


    痛み始めている花がほとんどだったが、まだ十分に見られる。


    10本以上は軽く生えていた。


    白い花を付けた大きな木が何本も立っていた。


    これはウワミズザクラ。満開で真っ白、見事である。


    ウワミズザクラの花。サラシナショウマのようである。


    葉の辺縁には鋸歯がある。


    乙女高原の草原に到着。ズミの花がたくさん咲いている。


    手前の大木と奥に生えているのがヤエガワカンバ。この草地内には大きなヤエガワカンバが何本も生えている。


    樹皮は剥がれ落ちるのが特徴。


    もう1本のヤエガワカンバの大木


    樹皮。もっと薄く剥がれ落ちるイメージを持っていたが、大木になると大きく剥げるようである。


    枝を見上げるが、太い枝も樹皮が剥げている。


    葉はスマートな形をしており、辺縁は不規則な鋸歯状である。


    こちらはダケカンバ。樹皮はヤエガワカンバほどは剥がれ落ちない。


    葉の形はヤエガワカンバに比べると丸っこい。


    咲き始めたレンゲツツジとシラカンバの白い幹


    ヤマドリゼンマイとシラカンバ


    シラカンバの葉はやや幅が広く、辺縁は脈打つような不規則な鋸歯状である。


    見ていると思うが何だか分からなかった低木


    これはツノハシバミの木だった。

 時刻は6時になり、少し薄暗くなってきた。まだ咲き残ったサクラスミレや他の花もあったのだが、時間が足りず急いでスゲが生える湿地に移動する。


    見たかったのがこのスゲ。


    アカンスゲ


    山梨県ではこの周辺でのみ生育が確認されている。


    結実していてちょうど観察し易い時期だった。


    もうひとつ見ておきたかったのが花を咲かせているこのスゲ。


    頂部の薄茶色のところが雄小穂、下の白いところが雌小穂である。結実したところを良く観察しないと分からないが、これはオタルスゲであろうと思っている。


    これはナナカマドであろう。


    ナナカマドの花


    満開のズミの花

 他にも見たいものや探したいものがたくさんあったのだが、時間が足りず回り切れなかった。あと2週間もすれば見たいと思っているコハクウンボクという白い花が咲き出すはずである。また訪れてみたいと思う。

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甲府市に咲くシロヤシオツツジ みみ石再び  令和4年6月1日

2022年06月04日 | 山に咲く花
 4月下旬に一度登っている甲斐百名山のみみ石であるが、その時にはシロヤシオツツジは咲いておらず葉も出ていなかった。この時期だと花期にはもう少し遅いかも知れないが、確実に花を見ることは出来るはずである。シロヤシオツツジは山梨県の絶滅危惧種に入っている貴重な樹であるが甲府市に生育しているのはレッドデータブックの分布には載っていない。そのためなんとか今年のうちに見ておきたいと思っていた。今回はルートを変えて木賊峠から谷に下りて尾根に取り付くルートでみみ石まで行ってみることにした。まずは木賊峠まで車で行くのだが、ここに至るまでの道のりが結構長い。木賊峠の展望台に車を止めてその先にある尾根道を行ってみるが、どうも歩く方向が違う。GPSで位置確認するとこの道では無いようである。峠に戻って谷に下りる道を探して下りて行くが、道らしきものは無くガラガラの危ない急峻な谷を下りて行く感じである。


    木賊峠展望台から見る富士山。左側の丸っこい山が目指すみみ石の山塊。


    木賊峠に咲いていたウワミズザクラ


    ウワミズザクラの花


    少し珍しい木が生えている。


    幹の樹皮が剥がれ落ちている。


    おそらくこれはヤエガワカンバと思われる。


    みみ石に行くにはまず谷に下りる。ガラガラの谷を下りて行くが、下りよりも帰りが思いやられる。


    草の生えた傾斜の緩い場所に下り立つ。


    その先の支脈の沢に踏み跡らしきものがある。


    支脈の谷に大きなカツラの木が生えていた。


    赤テープがあるが、途中まででテープは消失。谷から抜け出して左手の尾根に取り付いてみる。


    尾根筋には比較的明瞭な道らしきものがあり、テープも付いていた。


    境界見出し標があった。あとは尾根通しに登ればみみ石まで行ける。


    大きなミズナラの木


    地面に白い花びらが落ちている。


    上を見上げればシロヤシオツツジの木。


    残念ながら少し遅かった。しかし花は確認出来た。この先の稜線にはたくさんシロヤシオが生えていた。


    傷んではいるが十分に見られるシロヤシオツツジの花


    まだ綺麗な花も残っていた。


    大きな木もたくさん生えていた。


    もう終盤であるが、今年はあまり花付きが良く無かったようである。


    シロヤシオの花


    見下ろすシロヤシオ


    ベニバナツクバネウツギが少しだけ生えていた。

 こんなところに登って来る人など居ないだろうと思っていたら、後ろから2人組が登って来た。見れば知り合いの山仲間だった。甲斐百名山を登り歩いているそうでこの日はみみ石を目指してやって来たそうである。ここにあるシロヤシオツツジのことは知らなかったそうだ。


    何だか良く分からないマツの木が生えている。


    大き目の松ぼっくりが付いており、葉は細めである。


    マツの木なのに樹皮はうろこ状ではなく、横縞が入っておりシラビソのような樹皮をしている。


    この木の正体は何?図鑑で調べる限りでは近いものはハイマツしか見当たらない。しかし、こんな大きなハイマツが存在するのだろうか??


    帰り道、谷を先行して登る山仲間の2人


    最後の急斜面はロープが付いているが、途中が切れそうに痛んでおりあまり頼りにはならない。

 甲府市にもシロヤシオツツジが生育していることが確認出来た。探してきたのは昨年この山に登った相棒のうーさんで、大手柄である。花付きの良い年に満開のシロヤシオツツジをこの山で見てみたいものである。

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